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September 25, 2006

日産婦医会関東ブロック会:保健師助産師看護師法違反容疑による警察の家宅捜索に関する見解

保健師助産師看護師法違反容疑による警察の家宅捜索に関する見解

 分娩医療機関は最近10年間に約40%減少している。地域によっては分娩医療機関がなくなり、いわゆる“お産難民”が増加し、国是とする少子化対策にも暗い影を落としている。全国の分娩医療機関は安全で安心な周産期医療を地域住民に提供できるよう日々最大限の努力をしているところであり、事実、世界一の高いレベルの医療を提供している。その最中、今般の横浜市瀬谷区堀病院における神奈川県生活経済課による保健師助産師看護師法違反容疑での、警察官60名にもおよぶ家宅捜索が実施された。神奈川県内の分娩医療機関はもとより、全国の医療機関ならびに全国の妊婦に深刻かつ多大な影響を及ぼした。全国の危機的周産期医療がさらに悪化することを危惧するものである。
 さて、嫌疑の根拠となった上記の法は、昭和23年、家庭分娩が98%以上、医療機関分娩が2%の時代、年間新生児死亡数64,142、妊産婦死亡数4,117の時代に制定施行された法である。その後、分娩が家庭から医療機関へとシフトし、周産期医学の進歩・医療機器の発達、周産期救急医療システムの整備などにより、現在、新生児死亡数1,622、妊産婦死亡数49と、それぞれ1/40、1/84に減少、世界トップの安全・安心な分娩を提供できるまでになった。一方、この間、助産師数は約6万から2万5千と半減している。周産期医療のレベルが大幅に向上した背景には、看護師の協力も欠かせなかった。看護師は医師の指示の下に内診していた。すなわち、医療機関においては医師の指示の下に、看護師が「子宮口の開大、児頭の下降度」を計測(いわゆる内診の一部)し、医師に報告し、医師は看護師からの補助情報と分娩監視装置など発達した医療機器による産科情報を総合的に判断して安全・安心な周産期医療を実践してきた。その結果、世界一の周産期医療を国民に提供できる状況になったわけである。
 今般、分娩医療機関が激減し、助産師の絶対数が極端に不足、偏在している状況を十分考慮し、かつこのような事態が二度と起きないよう、国民とともに安全なお産を守るために、日本産婦人科医会関東ブロック会(1都9県支部、会員4,044名)支部長会は、神奈川県の事態を重く受け止め、種々協議した結果、満場一致で、神奈川県産科婦人科医会の見解を支持するとの結論に至った。
 すなわち、“分娩経過の全体を総合的に産科医師が把握しつつ、担当医の監督責任のもとで十分な経験・技量を身につけた看護師による産婦の正常経過の観察を担当医が補助行為として利用する範囲内であれば、その産科診療は現行の法に背反するものではない”とする神奈川県産科婦人科医会の見解を支持するものである。


平成18年9月10日    日産婦医会関東ブロック会
 会長・ 東京都支部長 
茨城県支部長 
静岡県支部長 
山梨県支部長 
長野県支部長 
神奈川県支部長 
千葉県支部長 
埼玉県支部長 
群馬県支部長 
栃木県支部長 
東京都副支部長 
町田利正
石渡 勇
庄司 靖
武者吉英
平出公仁
東條龍太郎
八田賢明
佐藤辰之
佐藤 仁
野口忠男
落合和彦



投稿者 akiuchi : September 25, 2006 07:59 AM