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September 25, 2006

日産婦医会:県立大野病院事件に対する考え

福島県立大野病院事件に対する日本産婦人科医会の考えをここに記録しておくことにする。

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2006年5月
 県立大野病院事件に対する考え PDF
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県立大野病院事件に対する考え

 福島県立大野病院で平成16年12月に腹式帝王切開術を受けた女性が死亡したことに関し、手術を担当した医師が、平成18年3月10日、業務上過失致死、および医師法21条違反の罪で起訴された件について、日本産科婦人科学会、および日本産婦人科医会は、すでに「お知らせ」、「声明」を公表し、さらに「声明」を補足するために厚生労働省にて記者会見の場をもち、両会の考え方を示してまいりました。
 このたび両会は、本件の重要性に鑑み、ここにあらためて「県立大野病院事件に対する考え」を発表いたします。
 はじめに、本件の手術で亡くなられた方、およびご遺族の方々に対して謹んで哀悼の意を表します。
 このたび、産婦人科の医療行為について、個人が刑事責任を問われるに至ったことはきわめて残念であります。
 本件は、癒着胎盤という、術前診断がきわめて難しく、治療の難度が最も高く、対応がきわめて困難な事例であります。
 起訴状によれば、本件における手術中、児娩出後に用手的に胎盤の剥離を試みて胎盤が子宮に癒着していることを術者である被告人が認識した時に、「(被告人には)直ちに胎盤の剥離を中止して子宮摘出術等に移行し、胎盤を子宮から剥離することに伴う大量出血による同女の生命の危険を未然に回避すべき業務上の注意義務があるのに、(被告人は)これを怠り、直ちに胎盤の剥離を中止して子宮摘出術等に移行せず、同日午後2時50分ころまでの間、クーパーを用いて漫然と胎盤の癒着部分を剥離した過失により、」とあり、被告が直ちに胎盤の剥離を中止して子宮摘出術等に移行しなかったことと、胎盤の癒着部分の剥離に用いた手段に過失がある、とされています。
 癒着胎盤の予見のきわめて困難である本件において、癒着胎盤であることの診断は、胎盤を剥離せしめる操作をある程度進めた時点で初めて可能となるものであります。したがって、結果的には癒着胎盤であった本例において、胎盤を剥離せしめる操作を中止して子宮摘出術を行うべきか、胎盤の剥離除去を完遂せしめた後に子宮摘出術の要否を判断するのが適切かについては、“個々の症例の状況”に応じた現場での判断をする外なく、それはひとえに当該医師の裁量に属する事項であります。
 また、本件のような帝王切開例における胎盤の癒着部を剥離せしめる手段としては、用手的に行うことだけが適切ということはなく、クーパーをはじめ器械を用いることにも相当の必然性があり、この手技の選択も当該医師の状況に応じた裁量に委ねられなければ、治療手段としての手術は成立し得ません。
 本件の転帰に関してはたいへん心を痛め、真摯に受け止めておりますが、外科的治療が施行された後に、結果の重大性のみに基づいて刑事責任が問われることになるのであれば、今後、外科系医療の場において必要な外科的治療を回避する動きを招来しかねないことを強く危惧するものであります。

平成18年5月17日

社団法人 日本産科婦人科学会
理事長 武谷 雄二
社団法人 日本産婦人科医会
会 長 坂元 正一

  

2006年3月
 福島県の県立病院の医師起訴について(声明) PDF
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 声 明

 福島県の県立病院で平成16年12月に腹式帝王切開術を受けた女性が死亡したことに関し、手術を担当した医師が、平成18年3月10日、業務上過失致死および医師法違反で起訴された件に関して、コメントいたします。

 はじめに、本件の手術で亡くなられた方、および遺族の方々に謹んで哀悼の意を表します。

 このたび、日本産科婦人科学会の専門医によって行われた医療行為について、個人が刑事責任を問われるに至ったことはきわめて残念であります。
本件は、癒着胎盤という、術前診断がきわめて難しく、治療の難度が最も高い事例であり、高次医療施設においても対応がきわめて困難であります。
 また本件は、全国的な産婦人科医不足という現在の医療体制の問題点に深く根ざしており、献身的に、過重な負担に耐えてきた医師個人の責任を追及するにはそぐわない部分があります。

 したがって両会の社会的使命により、われわれは本件を座視することはできません。

平成18年3月10日

社団法人 日本産科婦人科学会
理事長 武谷 雄二
社団法人 日本産婦人科医会
会 長 坂元 正一

2006年2月
 福島県の県立病院の医師逮捕について PDF
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 【お知らせ】

  過日、福島県の県立病院で平成16年12月に腹式帝王切開術を受けた女性が死亡したことに関し、手術を担当した医師が平成18年2月18日、業務上過失致死および医師法違反の疑いで逮捕されたとの報道がなされました。詳しい事情は不明ですが、報道された内容ならびに関係者の状況説明による限りでは、本件が逮捕 勾留の必要があったのか否か理解しがたい部分があります。産婦人科医療体制の整備向上に対し社会的責任を有する両会としては本件の推移を重大な関心をもって見守っていきます。

平成18年2月24日

社団法人 日本産科婦人科学会
理事長 武谷 雄二
社団法人 日本産婦人科医会
会 長 坂元 正一

投稿者 akiuchi : September 25, 2006 09:27 AM