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September 17, 2006
愛の流刑地〈上・下〉 (単行本)
■文学といえば文芸春秋9月号に掲載されたを芥川賞受賞作品「八月の路上に捨て
る」(伊藤たかみ)を読んだのだがその面白さがさっぱりわからなかった。「文学
とは何か?」最近はビジネス関係の書籍ばかり読んでいたので小説とはすっかり遠
ざかっていた。大塚英志の「初心者のための『文学』」(角川書店)という本を先
日本屋で見つけて買ってきた。この著者はサブカルチャー、オタクといった分野に
詳しいのだがかつて「『彼女たち』の連合赤軍―サブカルチャーと戦後民主主義」
という本の中で果敢にフェミニズムを批判していて共感を覚えた記憶がある。今回
の本では「私」が文学の中心にあるということが強調されていた。「私とは何か?」
永遠に難しい哲学的大問題だ。打って変わって直木賞作家・渡辺淳一の「愛の流刑
地」という本も読んでみた。こちらは気恥ずかしくなるようなベタな話の展開に辟
易させられた。(実は結構楽しんだりもしているのだが・・・)確か渡辺淳一は札
幌医大整形外科講師をしていたと思う。才能があったからということになるのだろ
うが医者から作家への「逃散」をいち早く決め込んだ彼の選択眼の鋭さには脱帽す
る。才能のない不器用な医者は果たしてこれからの日本でどのように生きていけば
いいのだろうか?どうも憂鬱な秋になってきた。
プルプル通信メルマガ版 第42号 *9月号*(Vol.19 No.16)
2006年9月20日発行
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愛の流刑地〈上・下〉 (単行本)
渡辺 淳一
単行本: 382ページ
出版社: 幻冬舎 (2006/05)
ASIN: 4344011651
朝刊小説 渡辺淳一の「愛の流刑地」
「愛の流刑地」のあらすじ
村尾菊治は55歳。かつて恋愛小説の旗手として脚光を浴びたが、今は新作が書けずにくすぶっていた。そんな菊治がある日、女友達の紹介で、自分の作品のファンだという関西在住の人妻、入江冬香と京都で出会う。北陸・富山の生まれで、すき透るような白い肌が美しい。その細い手に、以前見たなまめかしいおはら風の盆の踊りを思い出し、菊治は強く心惹かれる。
東京に住む菊治は別の日、冬香を京都のホテルに誘いだし、いきなりその唇を奪う。2度目の密会で、ふたりはとうとう結ばれる。互いに惹かれあい、その後京都で密会を重ねるふたり。冬香には夫と小さな子供が3人いて、逢えるのは決まって午前中だけだった。
年が明けて正月2日、冬香は富山の実家に子供と夫を残し、東京に住む菊治に逢いに来る。そんな彼女を菊治が激しく愛すると、冬香は、夫からも得られなかった深いエクスタシーへと導かれる。
心も躰も離れられなくなった2人に、製薬会社に勤める冬香の夫の東京転勤という、またとない幸運が舞い込む。東京近郊の新百合ヶ丘に3月に移り住んできた冬香は、菊治の住む千駄ケ谷の部屋に通い始め、逢瀬の機会がますます増えていく。
体を重ねるごとにエクスタシーの度合いを深めていく冬香。夫に体を求められても拒絶しているという冬香に、菊治は強い愛情を感じる一方、彼女の家庭も気になり始める。子供の風邪のせいで逢えない日など、妻であり3人の子の母でもある冬香の立場に、菊治は強く心がかき乱される。
作者の言葉
いま、純愛ブームだという。肉体関係がない、精神的なつながりだけの愛が純粋だと思いこむ。だがそれは単に未熟な幼稚愛にすぎない。精神と肉体と両方がつながり密着し、心身ともに狂おしく燃えてこそ、愛は純化され、至上のものとなる。
今度の小説は、その純愛のきわみのエクスタシーがテーマである。その頂点に昇りつめて感じた人と、いまだ知らぬ人との戦いである。最高の愉悦を感じるか否かは、知性や論理の問題ではなく、感性の問題である。
はたして、この戦いはいずれが勝つのか、そして読者はいずれに軍配をあげるのか、ともに考えていただければ幸いである。
作者の横顔 渡辺 淳一(わたなべ・じゅんいち)氏
1933年北海道生まれ。札幌医科大を卒業後、同大学の整形外科講師を経て作家に。70年「光と影」で直木賞、80年「遠き落日」「長崎ロシア遊女館」で吉川英治文学賞を受賞、2003年には菊池寛賞を受賞。医師体験を基にした深い人間認識と細やかな心理描写からなる恋愛ロマンや、歴史・伝記小説を数多く発表し、読者の高い支持を得ている。
本紙朝刊では、いずれも大きな話題となった85年の「化身」、96年の「失楽園」に次ぐ、3回目の連載。著書に「阿寒に果つ」「ひとひらの雪」「幻覚」など多数。98年には札幌に渡辺淳一文学館が完成、一般に公開している。
挿画 小松 久子(こまつ・ひさこ)氏 洋画家として活躍する一方、渡辺作品をはじめとする多くの連載小説の挿画を手がけるベテランで、すっきりとした優美な線で描かれる人物や風景が小説世界を引き立てる。
題字 松井 芝翆(まつい・しすい)氏
ひらがなを得意とする書家で、渡辺作品の多くの題字を手掛けています。今回は漢字の多いタイトルをやわらかでドラマチックな筆致の題字にまとめ、印象深い「小説の顔」として紙面を彩る。
http://xn--wgvw43c.jp/honshi/20041206ta7c6000_06.html
http://blog.drecom.jp/toka/category_17/
日本経済新聞朝刊に連載されたの恋愛小説。
略称は「愛ルケ」。
小説家村尾菊治(55歳、以前は恋愛小説で鳴らしたが、今はしがないゴーストライター、妻と別居中で1人暮らし)とそのファンの入江冬香(36、7歳、人妻、ほっそりした体つきに、控えめな物腰)との恋愛を描く。
朝から電車の中で広げて読むことをはばかられるような、セキララな性愛描写と、一貫性がなくつかみどころのない登場キャラクター、親父のセコさ、妄想炸裂具合が一部で評判を呼んでいる。
2006年度1月末をもって連載を終了した。書籍化と映画化、日本テレビにてドラマ化(キャスティング不明)の予定がある。
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内容(「BOOK」データベースより)
その男と出会い、女はすべてを捨てた。生まれて初めて知った狂おしいほどの性の悦び―。エクスタシーの頂点で、女が男に求めた究極の行為とは。男女の性愛を大胆に描写し、日本経済新聞連載中から大反響を巻き起こした衝撃の問題作。
内容(「MARC」データベースより)
下火の作家・菊治と主婦の冬香。互いに家庭を持つ身でありながら、急速に惹かれあう二人。生まれた初めて知った狂おしいほどの性の悦び-。エクスタシーの頂点で、冬香が菊治に求めた究極の行為とは…。
内容(「BOOK」データベースより)
最愛の女を殺めた果ての孤独な法廷闘争。故意か過失か、あるいは愛の証しか。懸命に愛した男が最後に受け入れた罪と罰とは。論理ではとらえきれぬ情感の妖しさを描き、現代人の感性の解放をうたうルネサンス的文芸大作誕生。
内容(「MARC」データベースより)
狂おしいほどの愛情ゆえに、最愛の女・冬香を殺めてしまった菊治。その果ての孤独な法廷戦争。故意か過失か、あるいは愛の証か。法は、この愛を裁けるのか。懸命に愛した男が最後に受け入れた罪と罰とは…。
投稿者 akiuchi : September 17, 2006 11:53 PM