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November 03, 2006
周産期医療の崩壊をくい止めるために(ニュースレター原稿)
周産期医療の崩壊をくい止めるために(ニュースレター「プルプル通信」11月号原稿)
医療法人アップル理事長 木内 敦夫
日本の周産期医療のレベルは世界でもトップレベルにあるということは皆様も良くご存知だと思います。生まれてくる赤ちゃんやが不幸にして死亡するという数字を周産期死亡率、またお母さんがなくなってしまう数字を妊産婦死亡率といいます。周産期死亡率は出生1000人に対する数字、妊産婦死亡率は出生10万人に対する数字です。2004年の日本における統計データはそれぞれ3.3人(対出生1000人)、4.3人(対出生10万人)と世界の先進国に比べて最高レベルにあるということができます。欧米の周産期死亡率は7から8、妊産婦死亡率は5から8程度です。ちなみに私が昔医療協力で出かけたことがあるエチオピアやカンボジアの妊産婦死亡率は500人から1000人を越えるといわれています。ところが世界でもトップレベルのお産の安全性が最近大きく揺らいできています。お産をしたいと思っても分娩施設がないという信じられないことが日本中で問題になっています。産婦人科医、助産師、小児科医が全国で不足しています。24時間拘束される産科医の激務、医療訴訟のリスクなどが敬遠されて若い医師が育っていないということがその原因といわれています。奈良県で脳内出血を起こした妊婦さんを転送する病院が見つからずに大阪の病院で手術を受けるまでに6時間もかかって妊婦さんが亡くなるという不幸な事故が最近報道されました。栃木県では自治医大と獨協医大に総合周産期医療センターができたおかげで母体搬送で苦労するという話は少なくなりましたがセンター病院の先生によるとベッドがいっぱいで搬送を受け入れることが難しいために苦労しているという話もお聞きします。私どものような地域の診療所でローリスクのお産を引き受けることによってセンター病院が本来のハイリスク妊娠に集中できるようにするシステムを作ることが周産期医療の崩壊をくい止めるためには重要なことだと私は考えております。
先日「LongLife」という雑誌に私のインタビュー記事が掲載されました。WEB上でもご覧頂ける様にいたしましたのでご参照ください。
http://www.auc.med-apple.co.jp/p-topics/longlife/page01.htm
投稿者 akiuchi : November 3, 2006 03:42 PM