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November 11, 2006

妊娠高血圧症候群と子癇発作

最近産科学の教科書が書き換えられて妊娠中毒症という用語は使われなくなった。代わって登場したのが妊娠高血圧症候群である。まだなじみのないこの用語と妊娠中毒症はほとんど同じ概念なのだが前者では浮腫が定義から外れているというところが大きな特徴になっている。浮腫はどうでもいいというわけではなく病態を考えた時には大事な症状なのだが浮腫のみで終わるケースも多いので今回は疾患の定義からはずされたというのが事の真相である。浮腫を軽く考えてはいけない!子癇発作(Eclampsia)は妊娠高血圧症候群のひとつの表現型です。脳内出血との鑑別は瞳孔検査なのどの神経学的検査によってつけることになります

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妊娠中毒症の新常識(6) 「妊娠高血圧症候群」学会の定義
http://allabout.co.jp/children/birth/closeup/CU20041020F/

妊娠中毒症(子癇を含む)
Preeclampsia(including Eclampsia)

 妊娠中毒症の病態は血管れん縮と血管内皮障害である.治療もこれらの改善をはかることが主体となる.保存療法で改善を認めない場合は妊娠の終了を行う.ターミネーションは母児の状態を慎重に把握しタイミングを決定する.
◆治療方針
A.保存療法
1.安静 ストレスは交感神経活動を活性化させ血管れん縮を増強する.妊娠中毒症では安静にし,ストレスを遮断し,交感神経の過剰刺激をなるべく少なくすべきである.しかし,拘束感を抱かせるような絶対安静は逆にストレスを増加させる可能性もあり,本人がリラックスできるような安静法を症例ごとにとる.
2.不眠に対する対策 妊娠中毒症では睡眠が障害されている.腹部大動脈を圧迫しないような就眠体位をとらせ,照明に気を配り深い睡眠をとらせる.
3.食事 不規則な糖質の過剰摂取を控える.妊娠中毒症は血管内脱水であるので,極端な塩分制限は避け1日7g程度までの制限にとどめる.
4.術前術後の管理 術前術後の交感神経を刺激するような処置にも注意を要する.帝王切開後で尿道カテーテル抜去後(膀胱充満),浣腸,排便時などに交感神経が活性化しやすいので注意する.
B.薬物療法
 ヒドララジンが第1選択である.次いでαブロッカー,αβブロッカーを用いる.
処方例 下記の薬剤を症状に応じて適宜用いる
1)アプレゾリン⇒注(20mg) 100mg+ラクテック⇒注 500mL 0.05-0.1mg/分 点滴静注,またはアプレゾリン⇒錠(25mg) 2-6錠 分2-3
2)アルドメット⇒錠(250mg) 2-6錠 分2-3(保険適用外)
 short actingのカルシウム拮抗薬は禁忌である.妊婦の腹痛にブスコパン⇒のような副交感神経遮断薬が安易に用いられているが,使用しない方が無難である.
C.子癇の治療
 子癇が繰り返されると多臓器不全の可能性が高くなるので,子癇重積発作を起こさせないことがポイントである.エアウェイなどによる気道確保を行い,人工換気を行う.血管確保の後,下記の薬物療法を行う.
処方例 1)のほか,必要に応じて2)を用いる
1)マグネゾール⇒注 1回4g ゆっくり静注(急速飽和)
  ジアゼパム⇒注またはセルシン⇒注 1回10mg 静注
2)ワコビタール⇒坐薬(100mg) 1回1個
 子癇重積状態では上記に加え3)を投与する
3)コントミン⇒注 1回10-50mg 点滴静注
 DICを併発しやすいので4)または5)による早期の抗DIC療法も行う
4)アンスロビンP⇒注 3,000単位 初日静注 以後漸減
5)ウリナスタチン⇒注 30万単位/日 静注
 分娩後急性の消化管拡張や麻痺性イレウスをきたしやすくなるので,十分なsedationにより交感神経系を抑制する.
D.ターミネーションの指針
1.母体側 子癇,HELLP症候群,治療に反応しない重症妊娠中毒症,腎機能障害,血液凝固異常の悪化(血小板減少,ATⅢ減少).
2.胎児側 胎児発育停止,biophysical profile scoreの悪化.
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投稿者 akiuchi : November 11, 2006 10:43 AM