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November 30, 2006
ニュースレター「ぷるぷる通信12月号」原稿
今年の漢字「崩」「壊」?-1年を振り返って考える- 医療法人アップル理事長 木内 敦夫
今年も残すところあとわずかとなって慌しくなって参りました。毎年この時期になると「今年の漢字」というニュースが流れます。これは財団法人日本漢字能力検定協会がその年をイメージする漢字一字の公募を全国より行い、最も応募数の多かった漢字一字を、その年の世相を表す漢字として、発表するものです。1995年にスタートした企画で、毎年12月12日の「漢字の日」に京都の清水寺奥の院舞台にて、貫主により巨大な半紙に漢字一字が揮毫され、その後、本尊である千手観世音菩薩に奉納されるそうです。自由国民社の新語・流行語大賞などと並んで、現代日本の世相を反映する一つの指標として使われることが多いといわれています。ちなみに昨年の漢字は「愛」でした。これは「愛・地球博」の開催、紀宮様のご成婚、電車男などの純愛ブーム、卓球やゴルフで「アイちゃん」が大活躍したことによるものだそうです。今年の漢字として何が選ばれるのか興味深いところがありますが医療の世界に関していえば第一候補として挙げられる漢字は崩壊の「崩」か「壊」だと私は考えています。11月18日(土)にホテル東日本で虎の門病院泌尿器科部長の小松秀樹先生を宇都宮にお招きして塩谷郡市医師会主催の講演会を開催いたしました。小松先生は「医療崩壊-立ち去り型サボタージュ」(朝日新聞社)という本を今年出版されて一躍注目を集めることになりました。本の中で小松先生は日本の医療に関して行政、マスコミ、検察・警察、医師会、大学などの問題点を鋭く指摘されています。産婦人科医療に関していえば今年は2月の福島県大野病院事件、8月の横浜堀病院内診問題事件、10月の奈良県大淀病院事件と周産期医療崩壊に直結する大きな事件が相次ぎました。「立ち去り型サボタージュ」という言葉はリスクが多くて報われない医療現場から医師が逃げ出すという意味です。栃木県内でも産科を閉鎖してお産の取り扱いを止める病院、診療所が相次いでいます。11月号のニュースレターでも何とか周産期医療の崩壊をくい止めなければ大変なことになると訴えましたが事態は私の予想を超えて急速に進行しているようです。医療崩壊によって困るのは地域住民の皆様です。こどもの自殺=学校・学級崩壊、家庭内暴力=家庭崩壊など暗いニュースばかりが毎日報道されておりますがこのまま行くと日本という国家そのものが崩壊するのではないかと心配になってきます。「美しい日本」がこのまま崩壊することがないように来年は良い年であることを祈ります。
投稿者 akiuchi : November 30, 2006 07:36 AM