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December 14, 2006

ノロウイルス

全国でノロウイルスによる集団感染性胃腸炎が発生している。栃木県でも高齢者施設で集団発生をしているという。このウイルス検査はどういうわけか保険適応になっていない。病院、保育所の厨房は警戒しなければならない。とりあえずの予防策は手洗いの励行ということになるのだろうか。

ノロウイルス:3施設で集団感染 /栃木

 県は8日、県北の高齢者福祉施設と県南の障害者福祉施設で、20~100代の入所者ら計78人に、ノロウイルスによる集団感染性胃腸炎が発生したと発表した。1人が入院している。
 県健康増進課によると、県北の高齢者施設は11月22日以降、入所者38人、職員12人が、また県南の障害者施設は今月1~7日、入所者24人、職員4人が発症。両施設とも入所者からノロウイルスが検出された。
 同課は、福祉施設でノロウイルスの集団感染多発を受け、週明けにも県内の施設関係者を集め、防止策の徹底を図る。
 一方、宇都宮市内の高齢者福祉施設でも80~90代の入所者29人、職員11人の計40人にノロウイルスによる集団感染性胃腸炎が発生。いずれも軽症。宇都宮市保健予防課によると、今年度、同市内のノロウイルスによる集団感染は初めて。【関東晋慈】

12月9日朝刊
(毎日新聞) - 12月9日11時1分更新

<ノロウイルス>全国で大流行 患者数が最高を記録

 ノロウイルスが主な原因となって、下痢や嘔吐(おうと)などを起こす感染性胃腸炎が大流行している。国立感染症研究所が全国約3000カ所の小児科で実施している定点調査では、11月20~26日の患者報告数が1地点当たり19.8人となり、81年の調査開始以来最高を記録した。発症のピークは例年、12月中旬から下旬にかけてで、今後さらに増える可能性が高い。厚生労働省は手洗いの励行など予防措置の徹底を呼びかけている。
 感染研によると、感染性胃腸炎の患者数が例年より増え始めたのは10月上旬から。西日本を中心に流行が始まり、中部や関東地方にも拡大した。10月下旬からは昨年同時期の2倍を超えている。
 ノロウイルスは、生ガキなど加熱が不十分な貝類を食べることで感染するほか、患者の便や吐しゃ物から二次感染する。
 11月26日までの1週間で1地点当たりの患者数が多かった都道府県は、富山(42.4人)▽群馬(33.8人)▽三重(33.5人)▽福井(33.2人)▽宮崎(32.7人)など。通常は1~2日で症状が治まるが、大阪や奈良では高齢者が死亡するケースも出た。
 厚労省は、食前や患者の便などを処理した後の手洗いの徹底や、食品の十分な加熱などを呼びかけている。【西川拓】
(毎日新聞) - 12月9日10時40分更新

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ノロウイルス
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ノロウイルスの透過型電子顕微鏡写真

ノロウイルス.jpg


ノロウイルス(Norovirus)は、非細菌性急性胃腸炎を引き起こすウイルスの一種。カキなどの貝類による食中毒の原因になるほか、感染したヒトの糞便や嘔吐物、あるいはそれらが乾燥したものから出る塵埃を介して経口感染する。ノロウイルスによる集団感染は世界各地の学校や養護施設などで散発的に発生している。

目次 [非表示]
1 分類と歴史
2 ウイルスの特徴
3 ノロウイルス感染症
3.1 症状
3.2 感染経路
3.2.1 感染型食中毒
3.2.2 伝染性胃腸炎
3.3 診断
3.4 治療
3.5 感染予防
4 関連項目
5 参考図書
6 外部リンク


[編集] 分類と歴史
1968年、米国オハイオ州ノーウォークの小学校において集団発生した胃腸炎の患者から発見され、1972年に電子顕微鏡によりその形態が明らかにされたウイルスが「ノーウォークウイルス(Norwalk virus)」と名づけられた。この後、このノーウォークウイルスとよく似た形態のウイルスによる胃腸炎や食中毒の例が、世界各地で報告され、それぞれその土地の名前を冠して呼ばれた。これらは、そのウイルス粒子を電子顕微鏡下で観察したときの形から小型球形ウイルス(Small Round-Structured Virus, SRSV)とも呼ばれたが、ウイルス粒子の表面に32個のコップ状のくぼみがあることから、ラテン語でコップを意味するcalixにちなみ、カリシウイルスという科に分類された。

1977年、札幌で幼児に集団発生した胃腸炎から、ノーウォークウイルスとよく似た小型球形ウイルスが病原体として発見され、サッポロウイルス(Sapporo virus)と名付けられた。しかし、サッポロウイルスには電子顕微鏡下で「ダビデの星(Star of David)」と形容される特徴的な構造が見られ、その他の特徴からも、カリシウイルス科の中でもノーウォークウイルスとの違いが大きいものと考えられた。そこで、それまで見つかっていたものを「ノーウォーク様ウイルス(“Norwalk-Like virus”, NLV)」、ダビデの星型の構造を持つものを「サッポロ様ウイルス(“Sapporo-like virus”)」という仮称を用いて分類するようになった。

2002年、第12回国際ウイルス学会(パリ)において、それまでノーウォーク様ウイルスと呼ばれていたものを「ノロウイルス属(Norovirus)」、サッポロ様ウイルスと呼ばれたものを「サポウイルス(Sapovirus)」という名称で呼ぶことが定められた。2005年現在、カリシウイルス科には4属のウイルスが含まれるが、そのうちヒトの疾患に関係するものは、このノロウイルス属とサポウイルス属の2属である。他のカリシウイルス科にはラゴウイルス属(Lagovirus)とベシウイルス属(Vesivirus)が認定されている。

エンベロープを持たないプラス一本鎖RNAウイルス
カリシウイルス科(Caliciviridae)
ノロウイルス属(Genus:Norovirus, “Norwalk-like virus”)(SRSV: Small Round-Structured Virus)
ノーウォークウイルス(Species: Norwalk virus)
サポウイルス属(Genus: Sapovirus, “Sapporo-like virus”)
サッポロウイルス(Species: Sapporo virus)
ラゴウイルス属(Genus Lagovirus)
RHDV(Rabbit hemorrhagic disease virus)
ベシウイルス属(Genus Vesivirus)
VESV(Vesicular exanthema of swine virus)

[編集] ウイルスの特徴
ノロウイルスは、ウイルスの分類上、プラス鎖の一本鎖RNAウイルスに分類される、エンベロープを持たないウイルスである。ウイルス粒子は直径30-38 nmの正二十面体であり、ウイルスの中では小さい部類に属する。電子顕微鏡下では、32個のコップ状のくぼみのある球形の粒子として観察される。小型球形ウイルスという名称はこの形態的特徴に由来し、ウイルス学上での正式なものではないが、食品衛生学分野では用いられることがある。

通常、ウイルスについての詳細な研究を行うには、適切な動物培養細胞を探して感染させ、ウイルスを増殖させることが必要だが、ノロウイルスについては実験室的に増殖させる方法がまだ見つかっていない。このため、検査や治療方法に対する研究が他のウイルスと比べて遅れているのが現状である。


[編集] ノロウイルス感染症
ノロウイルスはヒトに経口感染して、伝染性の消化器感染症を起こす。死に至る重篤な例はまれであるが、治療法は確立されていない。


[編集] 症状
ノロウイルスを含む食品などを摂取した後1-2日の潜伏期間を経て、急性胃腸炎の症状が現れる。この潜伏期間は、他の細菌性の感染型食中毒に比べると短い部類にあたる。多くの場合、嘔吐、下痢、腹痛が見られ、微熱を伴うこともある。症状の始まりは突発的に起こることが多く、夜に床についていたら突然腹の底からこみ上げてくるような感触がきて吐き気を催し、吐いてしまうことが多い。しかもそれが一度で終わらず何度も激しい吐き気が起ったり吐いたりして、吐くためにトイレの便器のそばを離れられないといったことも起きる。しかも、無理に横になろうとしても気持ち悪くて横になれず、吐き気が治まった後は、急激且つ激しい悪寒が続き、さらに発熱を伴うこともある。これらの症状は通常、1、2日で治癒し、後遺症が残ることもない。ただし免疫力の低下した老人では、死亡した例も報告されている。

また感染しても発症しないまま終わる場合(不顕性感染)や、風邪と同様の症状が現れるのみの場合もある。よく、「嘔吐、下痢、腹痛を伴う風邪」という表現があるが、それはノロウイルスなどによる感染症である可能性も低くなく(エンテロウイルス等の他の原因もある)、単なる風邪ではない場合がある。ただし、これらの人でもウイルスによる感染は成立しており、糞便中にはウイルス粒子が排出されている。


[編集] 感染経路
ノロウイルスによる感染症は、その感染経路から

食中毒: ウイルスを蓄積したカキなどの生食およびウイルスで汚染された食品を喫食して経口感染するもの
感染性胃腸炎: 1によって感染した患者(あるいは1から2を経て感染した患者)の糞便や嘔吐物に排出されたウイルスから経口感染するもの
の二つに分けられることがある。販売あるいは調理提供する食品そのものの衛生管理の(食品衛生学的な)立場からは1のケースが特に問題とされるが、医学上は1と2のケースに明確な違いはない。


[編集] 感染型食中毒
ノロウイルスによる食中毒は、カキやアサリ、シジミなどの二枚貝によるものが最も多いと言われている。日本では主として秋から冬場に発症する例が多いが、これは、カキを生食する機会が冬場が多いからではないかと考えられている。

ノロウイルスは貝類自体には感染しないと考えられている。すなわち、これらの貝の体内でノロウイルスが直接に増殖することはないとされる。しかしこれらの貝では消化器官、特に食物の細胞内消化を行う中腸腺に、生物濃縮によって海水中から濾過摂食されたノロウイルスが蓄積することが知られており、このことが食中毒の原因だと考えられている。


[編集] 伝染性胃腸炎
2のケースの感染は糞口感染とも呼ばれる。ノロウイルスはヒトの腸壁細胞に感染して増殖し、新しく複製したウイルス粒子が腸管内に放出される。ウイルス粒子は感染者の糞便と共に排出されるほか、嘔吐がある場合は胃にわずかに逆流した腸管内容物とともに、嘔吐物にも排出される。糞便や嘔吐物がごくわずかに混入した飲食物を摂取したり、汚物を処理したときに少数のウイルス粒子が手指や衣服、器物などに付着し、そこから食品などを介して再び経口的に感染する。

またノロウイルスの場合、少数のウイルスが侵入しただけでも感染・発病が成立すると考えられており、わずかな糞便や嘔吐物が乾燥した中に含まれているウイルス粒子が空気を介して(空気感染で)経口感染することもあると考えられている。

発病した人はもちろん、不顕性感染に終わったり胃腸症状が現れなかった人でも、無症候性キャリアとして感染源になる場合があり、食品取り扱い時には十分な注意が必要である。


[編集] 診断
ノロウイルスは、その培養(増殖)方法がまだ見つかっていないため、糞便中のウイルス粒子を直接(増やさずに)検査する必要がある。従来は、電子顕微鏡下で糞便中に小型球形のウイルス粒子が見られるかどうかを、感染の指標としていた。ただしELISA法や、ノーウォークウイルスの遺伝子配列を元にしたRT-PCR法も開発され、診断に用いられている。


[編集] 治療
2006年現在、ノロウイルスに有効な抗ウイルス薬は存在しない。下痢がひどい場合には水分の損失を防ぐために輸液などを対症療法的に用いる場合がある。また止瀉薬(下痢止め)の使用については、ウイルスを体内にとどめることになるので用いるべきでないと言う専門家もいるが、その是非については不明である。


[編集] 感染予防
ノロウイルスの主たる感染経路は、カキなどの貝類(食中毒)と、糞便や嘔吐物からヒトの手指などを経て口から入るもの(感染者からの伝染)であるため、特に飲食物を扱う人が十分に注意を払うことが、効果的な感染予防になる。

特に調理者が十分に手洗いすること、そして調理器具を衛生的に保つことが重要である。ノロウイルスはエンベロープを持たないウイルスであるため、逆性石けん(塩化ベンザルコニウム)、消毒用エタノールには抵抗性が強いが、手洗いによって機械的に洗い流すことが感染予防につながる。

また、ノロウイルスは加熱によって感染性を失うため、特にカキなどの食品は中心部まで充分加熱することが食中毒予防に重要である。生のカキを扱った包丁やまな板、食器などを、そのまま生野菜など生食するものに用いないよう、調理器具をよく洗浄・消毒することも大事である。

感染者の糞便や嘔吐物を処理する場合は、手袋を使用し直接手で触れないよう注意し、作業後は手をよく洗うよう心掛ける。汚染された場所を消毒する際、前出のようにノロウイルスは逆性石けんや消毒用エタノールに対する抵抗力が強いため、これらによる消毒はほとんど効果がない。しかし、次亜塩素酸ナトリウムに対する抵抗力は比較的弱く、これによる消毒は比較的有効である。ノロウイルスは、症状が消失した後も48時間はウイルスが排出されることに留意しなくてはならない。

なお、2006年現在ノロウイルスに対する有効なワクチンは開発されていない。また、このウイルスに対する免疫は感染者でも1-2年で失われるといわれており、ワクチンによる予防の有効性に対しては疑問が持たれる。


[編集] 関連項目
食中毒
ウイルス
ウイルスの分類

[編集] 参考図書
丸山務他 『ノロウイルス現場対策—その感染症と食中毒 つけない・うつさない・持ち込まない』 幸書房、2006年3月 ISBN 4782102623

[編集] 外部リンク
厚生労働省:食中毒・食品監視関連情報
食品安全委員会:食品健康影響評価のためのリスクプロファイル ~カキを主とする二枚貝中のノロウイルス~
国立感染症研究所
ノロウイルスの検出法について(厚労省通知)
速報記事(ウイルス)
感染症情報センター 病原微生物検出情報(月報 IASR)特集
ノロウイルス感染集団発生 2000年1月~2003年10月
ノロウイルス感染集団発生 2003年9月~2005年10月
感染症情報センター 感染症発生動向調査週報(IDWR)◆感染症の話
ノロウイルス感染症(2004年第11週号)
アメリカ疾病予防管理センター(CDC) Norovirusのページ(英語)
"http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8E%E3%83%AD%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%B9" より作成
カテゴリ: ウイルス | 食中毒

投稿者 akiuchi : December 14, 2006 10:48 PM