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February 02, 2007

医療クライシス:忍び寄る崩壊の足音/6 立ち去り型サボタージュ

今回は小松先生が登場した。毎日はどこまで本気で医者のことを考えているのだろうか?大阪版と東京版を比較してみた

立ち去り型サボタージュ 忍び寄る崩壊の足音/6(大阪)
07/02/01
記事:毎日新聞社
提供:毎日新聞社
ID:466444


医療クライシス:忍び寄る崩壊の足音/6 立ち去り型サボタージュ

 ◇激務で燃え尽き

 立ち去り型サボタージュ。医療関係者の間で、こんな言葉がささやかれている。医療訴訟が増え、時に逮捕される。しかも病院勤務医の給料は過酷な勤務に見合わない。耐えられなくなった勤務医が、開業などへ流れ始めた現状を指す言葉だ。

 近畿地方で最近、婦人科クリニックを開業した50代の男性医師は、病院で産科を担当していた時、不眠症に悩まされた。週1回の当直と翌日の通常勤務、月1回の土日勤務、緊急手術の呼び出し。「携帯電話を枕元に置き、いつ呼び出されるか、びくびくしていましたね」。激務の末に表れた症状だった。

 若い時には耐えられた。だが当直明けに手術を何件もこなすと、足はむくみ目もかすむ。体力的に限界だったが、辞めると、残る同僚にしわ寄せが行く。既に産科の常勤医が相次いで辞めていた。悩み抜いて開業の道を選ぶ。収入は減ったが、好きな酒も気にせず飲める。不眠症も治った。いかに病院勤務が重圧だったか実感した。

 産科医を選んだのは、赤ちゃんを取り上げ、お母さんが喜ぶ様子を見たかったからだ。でもクリニックでは、お産を扱うつもりはない。「お産を危険だと思わない人がほとんどだし、頑張っても、医師に感謝する患者は減った。刑事責任を問われる可能性もある」

 この男性医師は言う。「我慢に我慢を重ね、最後の手段として、立ち去るしかなかった。今は産科を離れてよかったと思っています」

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 看護師や助産師も燃え尽きて職場を離れるケースが増えている。

 大阪府内にある病院の産婦人科病棟で約4年間勤務し、昨年退職した助産師(28)は「続けていたら心も体も壊れていた」と話す。分べん数は月100件前後あり、病棟は満床状態のことが多かった。辞める看護師が多く、数年前に勤務形態が3交代から2交代に変わった。多い時には夜勤が月16回。分べんがあると休憩も取れない。午前9時に終わる夜勤も昼に帰れれば早い方だった。休日に働くことも多かった。

 「忙しくても3年目ぐらいまでは、やりがいを感じていたけど、医療事故を気にして病院の管理もきつくなり、母親とかかわる時間も少なくなった。疲れましたね」。今は医療関係のパートを週2回こなす。

 東京都内にある大学病院の看護師、岡本幸さん(28)は3月で退職する。リーダー役を任され、精神的負担が増えたからだ。「看護の仕事は好きだし、職場の雰囲気も良いけれど、一度、離れてみようと思いました」

 日本看護協会によると、病院で働く看護師の離職率は、94年度は9・9%だったが、05年度は13・1%(速報値)に上昇。市川幾恵・昭和大病院看護部長は「事故防止などで看護師の責任が重くなる一方、医療の高度化などに伴って新人の教育にも時間がかかる。中堅看護師に負担となり、“燃え尽き”の一因になっている」と指摘する。

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 「立ち去り型サボタージュ」の名付け親で、東京・虎の門病院泌尿器科部長の小松秀樹さん(57)は「自尊心と良心で続けてきた勤務医が、過剰な患者の要求や警察の介入などで限界にきている。患者側と医療側の相互不信を取り除くため、第三者による本格的な医療事故調査機関が必要だ。このままでは間違いなく医療は崩壊する」と警鐘を鳴らす。=つづく

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激務、重圧…増える退職 忍び寄る崩壊の足音/6(東京)
07/02/01
記事:毎日新聞社
提供:毎日新聞社
ID:466457


医療クライシス:忍び寄る崩壊の足音/6 激務、重圧…増える退職

 ◇見合わぬ待遇、良心も限界

 「立ち去り型サボタージュ」。医療関係者の間で、こんな言葉がささやかれている。医療訴訟が増え、時には逮捕さえされる。しかも、病院勤務医の給料は過酷な業務に見合わない。耐えられなくなった勤務医が開業などへ流れ始めた現状を指す言葉だ。

 30代後半の男性内科医は昨年、十数年勤めた東京都内の大学病院を辞め、診療所に移った。「訴訟恐怖症」になった大学病院。「どんな細かなことでも報告書を求められ、時間が取られるばかりだった」と振り返る。

 新医師臨床研修制度にも悩まされた。以前は1年間は同じ研修医を指導し、半年ほどで独り立ちして仕事を助けてくれた。今は2カ月ごとに研修医が変わり、教えるだけで助けてはもらえない。診療や月3-4回の当直をしながら、研修医からの質問も受けた。

 大学の給与は年600万-700万円。家族との時間も取れない。「『赤ひげ先生』を求められても難しい。責任の重さが収入につながらず、やってられないと思う医師が出ても仕方ない」とため息をつく。

 現在は夜間の呼び出しがなく、収入は2-3倍になった。「体が楽になり、家族との時間も取れる。しばらくはここで仕事をする」と語る。

 関西で病院を辞めて開業した50代の男性産婦人科医も「産科を離れてよかった」と話す。当直明けに手術を何件もこなすと足がむくみ、目もかすむようになっていた。

 開業して不眠症が治ったが、お産は扱わない。「場合によっては刑事責任を問われる可能性もある。我慢を重ねたが、立ち去るしかなかった」

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 看護師も同様だ。

 都内の大学病院に勤める岡本幸さん(28)は3月で退職する。あこがれの職業だったが、本当に楽しいと思えたのは3年目まで。責任の重いリーダー役を任され、精神的な負担が増えた。医師の指示を受け、病棟の看護師をまとめる。看護師が交代で休憩を取る段取りをつけ、仕事が滞っていないか目配りする。

 仕事が終わってもリーダー向けの研修などがあり、定時に帰れる日はほとんどない。リーダーを務める日勤が続くと、遊びに行く気力もない。

 同じ病棟にいた同期5人は全員が職場を去り、身近な相談相手もいない。「看護の仕事は好きだし、職場の雰囲気も良いけれど、一度、離れてみようと思った」

 日本看護協会の調査によると、病院に勤務する看護師の離職率は、94年度は9・9%だったが、05年度は13・1%(速報値)に上昇。新人看護師の1年目の離職率が10%近いことも課題だ。

 同協会で新人看護師の離職防止に取り組む市川幾恵・昭和大病院看護部長は「事故防止などで看護師の責任が重くなる一方、医療の高度化などに伴って新人の教育にも時間がかかる。新人採用が増えても、現場にとっては人手が足りない。中堅看護師に負担となり、“燃え尽き”の一因になっている」と指摘する。

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 「立ち去り型サボタージュ」の名付け親で、東京・虎の門病院泌尿器科部長の小松秀樹さん(57)は「自尊心と良心で続けてきた勤務医が、過剰な患者の要求や警察の介入などで限界にきている。患者側と医療側の相互不信を取り除くため、第三者による本格的な医療事故調査機関が必要だ。このままでは間違いなく医療は崩壊する」と警鐘を鳴らす。=つづく

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投稿者 akiuchi : February 2, 2007 01:51 AM