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February 03, 2007

問われる「日本一」:堀病院・無資格助産事件 地検「違法だが罪問わず」 /神奈川

毎日新聞は「医療クライシス」を担当する科学部と神奈川支局の間でもっと議論を深めるべきだろう。この記事に続いて「女性遺族が堀病院提訴=出産後死亡-無資格助産・横浜地裁」という記事が出てきたが毎日新聞があおっているとしか思えない。

問われる「日本一」:堀病院・無資格助産事件 地検「違法だが罪問わず」 /神奈川
2月2日12時1分配信 毎日新聞


 ◇「助産師増やして」 安全提供望む声相次ぐ--11人起訴猶予
 産科医療に大きな波紋を投げかけた堀病院の無資格助産事件は、堀健一前院長(79)をはじめ書類送検された11人全員の起訴猶予処分という結末を迎えた。横浜地検は堀病院の違法性を明確に認定しながらも、刑事責任を問うことが、問題解決に向けた最善策ではないとの判断を示した。望ましいお産のあり方とは。捜査当局から議論のボールを投げ返された形の関係者からは、改めてお産における医療安全の提供や、助産師養成の強化を望む声が上がった。【伊藤直孝、野口由紀、堀智行、鈴木一生、池田知広】
 ●堀病院
 <平成18年は3174名の方が出生されました。健やかな御成長を、職員一同と共にお祈り申し上げます>
 1日も多くの妊婦が診察に訪れた堀病院。受け付けのボードにはそんな紙が張られていたが、病院関係者は一様に口を閉ざしていた。
 起訴猶予について同区の主婦(41)は「助産師が少ない医療界の問題もふまえての判断だったのだろう。病院に悪い印象はないけど、看護師の内診はやってはいけないこと」と話した。30代主婦は「これから(助産師の)資格を取ってもらえれば問題はない。だが現状でいいということはない。助産師をもっと増やしてほしい」と求めた。

 堀健一前院長は看護師による内診の違法性を認識していなかったと主張していたが、横浜地検幹部は1日、「違法性の認識はあったと考えている」とコメント。前院長の代理人の小西貞行弁護士は毎日新聞の電話取材に「(前院長の主張は)終始一貫して変わっていない。これ以上話すことはない」と言った。
 ●産科関係者
 堀病院の問題を指摘していた「陣痛促進剤による被害を考える会」の出元明美代表は「堀病院は40年以上にわたり無資格助産を続け、助産師を雇用しているのに分娩(ぶんべん)にかかわらせなかった。この特殊性を踏まえれば、地検は助産師不足など周産期医療の構造的な問題とは切り離して判断すべきだった」と起訴猶予に疑問を呈した。さらに「堀病院を擁護した日本産婦人科医会は起訴猶予に安堵(あんど)するのでなく、堀病院の実態を周知させ、再発防止に取り組んでほしい」と要望した。
 助産師の重要性を訴えてきた日本助産師会県支部長の山本詩子助産師は「起訴猶予処分は助産師不足の現状を考えれば仕方ない。ただお母さんと赤ちゃんが求めているのは、医師の指示で見よう見まねで助産する看護師ではなく、きちんと教育を受けた専門性のある助産師。厚労省や関係団体が助産師育成の努力をすべきだ」と話した。
 捜査に疑問を投げかけていた県産科婦人科医会の八十島唯一会長は「産科の現状を踏まえ、起訴猶予にした判断を評価したい」と話した。堀病院で人工破膜が行われていたことには「把握しておらずコメントできないが、内診時に自然に破膜することはよくある」と述べるにとどまった。
 ●行政
 起訴猶予処分を受け、横浜市医療安全課の葛巻丈二朗課長は「現在の堀病院は助産師確保に努めるなど行政の指導に従っている」などを理由に行政処分しない方針を明らかにした。
 厚生労働省看護課の担当者は「地検の判断にコメントする立場にないが、看護師による内診の再発防止のため、助産師確保の施策を推進する」と話した。国会では、働く看護師向けの定時制助産師養成学校に補助金を出す予算案が審議中。同課は内診について「専門性が必要な助産行為」との立場を堅持しており、看護師の役割などを定めた保健師助産師看護師法(保助看法)を見直す予定はないという。
 05年の同省「保助看法のあり方に関する検討会」で座長を務めた山路憲夫・白梅学園大教授(社会保障論)は「看護師の内診の現状や危険性について法廷で明らかにしてほしかっただけに、検察の判断は残念。助産師が街の診療所でも雇用されるように、パート制度の導入など就業条件の整備が必要」と訴えた。
 ◇行政が解決すべき 処罰が良いと言えず--次席検事
 横浜地検の山舗弥一郎次席検事は1日午前11時、堀前院長らの起訴猶予処分を発表した。主なやりとりは以下の通り。
 ――処分理由は。
 第一に、看護師の内診は周産期医療の構造的問題であること。改善に向けて厚生労働省や日本産婦人科医会(日産婦)が議論を進めており、被疑者を処罰することが一般予防を図る上で良いとは言えないと判断した。
 第二は、今回の事件で内診による母体への具体的危険があったとは証拠上認められないこと。
 第三は県警の家宅捜索後、堀病院で看護師による内診は行われておらず、助産師の採用に努力するなど是正措置が取られていること。堀病院では、日産婦が「看護師でも許される」とした「子宮口の開き具合や胎児の下降度を医師の指示下で計測する」という範囲を超える内診をしていたと認められるが、日産婦がガイドライン作成など、将来的に是正措置を取ると約束していることも考慮した。
 第四に堀病院は事件後、報道で既に社会的制裁を受けたこと。また堀前院長も院長職を既に退き、医師を引退する誓約をしている。
 以上のことを踏まえ、法違反の構成要件を備えるが、刑事責任を問うものではないと判断し起訴猶予処分とした。
 ――堀病院で行われていた内診とは。
 堀病院では触診や(分娩誘発のために卵膜を人工的に破り破水させる)人工破膜など、日産婦の見解を超えた内診が行われていた。
 ――無資格内診は各地で司法判断が分かれているが。
 あくまで個別の事案をみて判断している。本件は(04年の)2回目の厚生労働省通知を知りながら無資格助産を続けた点が特徴。(堀前院長の)違法性の認識はあったと認められる。
 ――周産期医療の構造的問題とは。
 厚労省通知の前に、看護師による内診が各地で幅広く行われていたことは間違いなく、背景に助産師の偏在がある。根深い問題。看護師にどこまでの行為が許されるかに関しては、現場の実態を踏まえ、いろんなことを考えながら施策を推し進める状況にある。一義的には所管官庁のイニシアチブ(主導権)によって解決を図るのが妥当な分野と考える。
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 ◇堀病院・無資格助産事件の経過
 <02年>
11月14日 厚生労働省、内診は助産行為に当たると各都道府県に通知
 <03年>
12月29日 名古屋市の女性(当時37歳)が堀病院で女児出産
 <04年>
 2月15日 名古屋市の女性が多臓器不全で死亡
 9月13日 厚生労働省、医師の指示下での内診も助産行為に当たると各都道府県に通知。産科医団体が反発
 <06年>
 1月    名古屋市の女性の夫、女性のカルテなどを証拠保全
 6月    夫、県警に相談。県警が病院関係者の事情聴取に着手
 8月24日 県警、堀病院を保健師助産師看護師法(保助看法)違反容疑で家宅捜索。カルテなど約370点を押収。堀健一院長(当時)は事情聴取に「私の指示でやらせていた」と無資格助産を認める
 8月25日 横浜市が堀病院を緊急立ち入り調査。堀院長(当時)が記者会見で「今後は(無資格助産を)ゼロにしたい」と陳謝
 9月 1日 日本産婦人科医会、「堀病院の無資格助産が分娩第1期の内診だけであれば、大がかりな捜査は不当」との見解を公表
 9月 6日 井上美昭県警本部長が会見で捜査批判に「法的手続きに従い厳正に捜査を進めている」と反論
10月18日 愛知県警、同県豊橋市の病院長ら3人を保助看法違反容疑で書類送検。後に「犯意なし」と起訴猶予処分に
11月27日 県警、堀院長(当時)や看護部長ら計11人を保助看法違反容疑で横浜地検に書類送検
 <07年>
 1月22日 堀院長(当時)が院長職から退く
 2月 1日 横浜地検、堀前院長ら11人を起訴猶予処分


女性遺族が堀病院提訴=出産後死亡-無資格助産・横浜地裁
2月2日21時31分配信 時事通信


 横浜市瀬谷区の産婦人科「堀病院」で出産し、その後に死亡した女性=当時(37)=の夫(44)らが、死亡は担当医師が厳重な監視を怠ったのが原因などとして、同病院と同医師を相手に約8500万円の損害賠償を求める訴訟を横浜地裁に起こしていたことが2日、分かった。
 神奈川県警は堀病院がこの女性を含む17人の出産で、助産師資格のない看護師らに助産行為をさせたとして、保健師助産師看護師法違反容疑で堀健一前院長(79)ら11人を書類送検。しかし、横浜地検は1日、11人を起訴猶予処分とした。 

最終更新:2月2日21時31分

投稿者 akiuchi : February 3, 2007 04:21 AM