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February 04, 2007
お産の内診 看護師も条件付きで
朝日新聞が社説で「看護師も条件付きで 内診を認めるように」主張している。本当にマスコミも変わったなと思う。あとは厚労省と助産師会だな・・・
そしたらなんとあの毎日新聞も社説で「放置してきた行政の怠慢だ」という意見を表明した。
お産の内診 看護師も条件付きで
横浜市の産婦人科病院が助産師の資格のない看護師に「内診」などをさせていた事件で、前院長や看護師らが横浜地検で起訴猶予となった。
内診とは、陣痛が始まった女性の子宮口の開き具合を診て、お産の進行をチェックすることだ。厚生労働省の通知では、医師と助産師にしか認められていない。看護師が内診をすれば、通知に反することになる。警察の摘発には理由があった。
しかし、看護師の内診で母胎や胎児・新生児に具体的な危険があったとは認められない。事件の背景には、助産師が足りないという構造的な問題がある。そうしたことが、前院長や看護師らの罪を問わない理由だった。
この病院は年間3千人が出産する全国でも有数の医療機関だ。必要な数の助産師を雇わず、医療を続けていたのは好ましいことではない。だが、助産師が全国的に不足している事情を考えれば、起訴しなかった地検の判断もやむを得ないかもしれない。
とはいえ、これで問題が解決したわけではない。お産の内診をこれまで通り助産師に限るのか、それとも看護師にも認めるべきなのか。その問題の決着が厚労省や医師、助産師、看護師に投げかけられた。
助産師会や看護協会はこう主張する。内診は出産の経過を見るために重要な手段で、単純な行為ではない。看護教育の中では教えられておらず、看護師に代行させることはできない。
一方、産婦人科医は反論する。これまで事実上、看護師が広く手がけてきた。医師の指示の下で進めれば、問題はない。助産師と看護師の仕事を厳格に線引きすれば、かえって現場は混乱する。
助産師や看護師の言い分は分からないでもない。きちんと教育されないまま内診などの助産行為を手がけるのは危険だ、ということだろう。専門教育を受けた助産師が携わるのが理想であることは間違いない。
しかし、産婦人科医団体の調べでは、必要な助産師を確保できない施設は75%にのぼる。この状況では、次善の策を考えないわけにはいかない。
条件をつけて看護師にも内診を認めるのが現実的だろう。たとえば、10年程度、産科での経験を積んだ看護師が研修を受ければ内診をしてもいい、という仕組みをつくることが考えられる。
産科医療は問題が山積している。助産師だけでなく、産科医も不足している。病院を集約化して効率的な配置をし、医療スタッフを確保しなければならない。同時に医師、助産師、看護師が仕事をうまく分け合って危機を乗り切らなければなるまい。
厚労省は2年前にも専門家に看護師の内診の是非を検討してもらったが、賛否が分かれ、まとまらなかった。どうすれば、妊婦と子どものためになるのか。新たな視点で論議を急いでもらいたい。
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社説:無資格助産 放置してきた行政の怠慢だ
横浜市の産科病院の無資格助産事件で、院長、看護師が全員起訴猶予となった。検察は、行為が法律に違反しているのを認めながらもあえて訴追の道を取らなかった。
刑事責任を問わない理由を挙げている。(1)産科医療に構造的問題がある(2)「内診」が危険だと認められない(3)院長が引責辞任した、の三つだ。行間から読み取れることがある。仮に起訴したら看護師の内診が常態化している産科医療現場が大混乱に陥る。これを避けたい判断が働いたのではないか。さらに産科医療の欠陥は、司法の場で白黒つけるより、行政が早く解決策を探れと促している点だ。
内診とは、お産が正常に進んでいるかを確かめるため、子宮口の開き具合を測定することだ。約60年前に施行された保健師助産師看護師法には「助産師でないものは助産してはならない」とある。だが、どのような行為が「助産」に当たるかは明記されていない。
厚生労働省は02年、内診は医師や助産師しかできない助産行為に当たるとの見解を都道府県に出した。その2年後にも、医師の指示があっても看護師は内診してはならない、と通知している。
これに対し、産科医らで作る日本産婦人科医会は「医師の指示があれば、看護師の内診は助産行為に当たらない」と主張する。助産師の絶対数が足りない現状では、全国の多くの診療所で看護師が内診しているのが実態だという。
双方の言い分が対立するのは歴史的背景もある。かつてお産の場所は自宅が主流で、助産師が立ち会った。それが1950年代を境に自宅から医療機関に変わっていった。開業の産科医は助産師を雇う代わりに、独自の研修機関を作って看護師に教え、内診も担当させてきた。この影響で、かつて全国で5万人以上いた助産師は今2万6000人に半減、そのうち小規模な診療所に勤める助産師は2割に過ぎない。
ルールと実態がかけ離れているのに、一片の通知を出すだけで違法状態を放置してきた厚労省は怠慢と言わざるを得ない。解決へのアプローチは、半世紀以上前の法律を実態に合わせるよう変えるか、それが無理なら助産師を必要な数だけ増やすしかなかろう。
その前に、内診について改めて検証する必要がある。厚労省が言うように、内診には分娩(ぶんべん)進行が正常かどうかの判断まで含まれるので資格を持った者でないとお産の安全が保障されないのか。それとも産科医会が主張するように、看護師にもできる「診療の補助」なのか。早急に結論を出すことだ。
検討の結果「医師、助産師の領域」と判定されたなら、看護師が働きながら助産師の資格を取れるような養成学校を各地に設けることだ。現在、資格を持ちながら働いていない潜在助産師2万7000人の現場復帰も考慮しなければなるまい。
検察から、安心してお産ができるよう行政が混乱を鎮めよ、と投げ返されたボールを厚労省はきちんと打ち返す責務を負っている。
毎日新聞 2007年2月4日 0時17分
投稿者 akiuchi : February 4, 2007 10:14 AM