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February 12, 2007

助産資格

朝日の神奈川版に「助産資格」について読者の意見が紹介されている。毎日新聞の神奈川版に比べると朝日は冷静な判断をしていると思う。同じテーマで昨年の9月にも記事を掲載しているが今回は起訴猶予となった後だけに堀病院には同情的な意見が目立つ。現実に即した対応が今求められているということが助産師会や看護協会はなぜわからないのだろう?

【赤ちゃん】
「助産資格者もっと」
2007年02月03日


会場の看護師、助産師からは質問が相次いだ=2日、横浜市中区で

  年間3千人がお産をする堀病院(横浜市瀬谷区)の無資格内診事件は、前院長と看護部長を務めていた助産師1人、看護師4人、准看護師5人の計11人が起訴猶予という処分で決着しました。事件発覚以来、看護師による内診問題は、多くの妊婦さんや女性たちの話題にもなりました。今回の処分内容は、どう受け止められているのか――読者のご意見を紹介します。


(赤木桃子)

  横浜市旭区 女性(35)


  昨年3月末に2人目の子どもを堀病院で出産しました。事件発覚当時は「助産」にいろいろな解釈があり、内診が含まれるのかどうか、意見が分かれていることに不思議な気持ちになりました。法律の解釈自体がはっきりしていない部分がある以上、不起訴になるのは当然だと思います。


  産む側にしてみれば、しっかりと経験を積んだ看護師に内診をお手伝いしてもらい、医師や助産師不足、激務による過労を防げるのであれば、ありがたいことです。そのためには、看護師が働きながら、内診の実習などができるような制度をつくればいいのではないでしょうか。


  座間市 女性(42)


  堀病院や、他県の産科医が悪意を持って看護師に内診をさせていたとは考えられないので、不起訴であることに異議はありません。


  医師や助産師の数が増え、内診から出産、その後の処置まで担当する余裕があるのなら、医師か助産師のみがやればいいのかもしれません。でも、現実として無理で、必要な教育を受けた看護師の内診は、認める方向で考えてもいいのではないかと思います。


  厚生労働省が「医師の指示があっても、看護師は内診をしてはならない」としたときに、産婦人科医のだれかが、お産の場の状況を訴え、看護師による内診が必要だと手続きを踏んでくれなかったことが残念です。


  内診にとどまらず、看護師が医療の現場で、どの程度まで踏み込んでいけるのか、厚生労働省、医師、助産師、看護師で早急に再考していただきたいです。


  川崎市 元看護師


  私自身去年35歳で出産しましたが、外科と内科で10年間、看護師として働いていました。


  10年のキャリアがあっても、母性領域は未知の世界です。仮に内診の手技を身につけたとしても、とても責任を持って分娩(ぶんべん)を見守る専門知識はありません。だからこそ、助産師になるためには看護師の資格を取った先に助産師学校や助産師の専攻科があり、知識と経験をつむ必要があるのではないでしょうか。


  私自身のお産も各助産師さんの力量に違いがあり、戸惑ったのも事実です。助産師でもそうなのに、技術や現場の経験だけで知識のつんでいない看護師が安易に引き受けてしまうのは、とても無責任だと思います。


  近ごろ、様々なサービスを売りにしている病院が増えています。それはそれで良いことかもしれませんが、安全に勝るものはありません。助産師が足りない現状を、無資格助産の正当化の理由にするのではなく、命の安全を第一に助産師さんが働く環境を整えたり、考えることはもっとあると思います。


  横浜市緑区 女性


  04年10月に1人目を、1カ月ほど前に2人目を堀病院で出産しました。1人目のときは、確かに看護師とも助産師とも区別のつかない方が子宮口の開き具合を見ていました。2人目のときは、助産師とわかる名札をつけており、それ以外の人が子宮口の開き具合を確認することはありませんでした。


  でも、1人目のときの方が頻繁に声をかけてくれ、「もう少しだよ」と安心させてくれました。2人目のときは、助産師はあまりに忙しく、なかなか状態を見てくれませんでした。あれで状態が悪化したらと思うとどちらがいいのか、判断がつきません。


  病院で医師が来るのは子宮口が全開大になり、分娩(ぶんべん)室に移ってからです。問題があるとしたら、看護師が子宮口の開き具合を見ることではなく、陣痛室に医師か助産師が常駐していない状況にあるのではないかと思いました。


  看護師に内診をさせるのが違法というのなら、医師や助産師の数を増やす。または看護師に助産師資格を取らせるという行動が一番前向きだと思います。


  事件発覚を受けても転院は考えませんでした。妊娠中期に入っていた以上、転院は現実的ではありません。横浜市の産院は妊娠5、6週で予約を取らないと産めないというのは、大げさでなく多くの産院での現実です。


  ■「法的な責任」で勉強会


  医療訴訟が増えるなか、医師だけでなく、看護師や准看護師が個人で訴えられるケースが増えている。堀病院をめぐる無資格内診事件でも、看護師と准看護師が書類送検された。ふだん医師の指示に従うことの多い看護師に、どこまで法的な責任が生じるのか――看護師の立場から、それを考える勉強会が2日、横浜市中区の県総合医療会館で開かれた。


(大貫聡子)


  県看護協会が「今、改めて看護業務を考える 看護職と法的責任」というテーマで主催した。看護師で日本看護協会出版会の平林明美さんと、国学院大学法科大学院教授の平林勝政さんがそれぞれ講演し、そのあと、質疑応答があった。看護師や准看護師を含め、200人ほどが参加した。


  平林明美さんは、看護師の診療補助行為について、保健師助産師看護師法(保助看法)でどこまで行えるのか、範囲が明確に示されていないと指摘。平林教授も「医療と看護の業務分担がいまは不十分だ」と話した。


  質疑応答では、堀病院の処分を受け、公立病院に勤める助産師資格を持つ看護師から「地検の判断に不安を覚える。医療現場に合わせた判断をしたというが、では助産師の国家資格とはなんなのか」との疑問が出された。


  それについて、厚生労働省の「保助看法のあり方検討会」のメンバーだった平林教授は「検討会でも内診問題は集中して審議したが、(1)内診は助産行為(2)医師の指示のもとであれば看護師もできる(3)医師と助産師が話し合うべきだという3論併記に終わった」と話した。


  講演会に参加した20代の看護師は「看護師の診療補助行為の大半は、病院内の決まり事として、おこなわれているのが実情。無資格のまま内診しろと、仮に医師の指示があれば自分だって従うかもしれない。堀病院の事件は、ひとごとじゃない」と話していた。


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【赤ちゃん】
「内診」解釈と実情に溝
2006年09月09日


堀病院では事件発覚後、助産師を急募している=8日、横浜市瀬谷区の堀病院で

  横浜市瀬谷区の堀病院が保健師助産師看護師法に違反して准看護師らに内診をさせていたとされる事件をめぐって、産婦人科医らでつくる県産科婦人科医会は「十分な経験・技量を身につけた看護師による正常経過の観察」行為であるとして、県警の捜査自体に反発しています。「妊婦の内診」とは、そもそもどういう行為なのか。そのことを考えてみました。


(赤木桃子、大貫聡子)


  助産師養成学校では、「内診」をどう教えているのか。


  横浜市中区の県立衛生看護専門学校は、学生を病院で実地研修させている。妊婦が入院した際にまず1回目の内診をさせ、妊娠中の診察結果を踏まえ、あと何時間ぐらいで生まれるかを予測させる。その後、妊婦さんの表情や陣痛の間隔、赤ちゃんの心音を観察させ、学生が容体の変化を感じたら、再度内診をさせ、子宮口の開き具合や赤ちゃんの位置を確かめさせる。


  お産が正常に進んでいるか、あとどれくらいで生まれるかを見極めさせる訓練だ。一例終わるたびに、指導役の助産師と1時間以上かけて経過を振り返り、処置や判断が適切だったかを検討する。学生には少なくとも10例を経験させる。


  岡田律子助産師学科長は「初めは戸惑うが、8例目くらいになると感覚をつかむ。卒業後、すぐ即戦力になるよう指導している」と話す。


  内診のとらえ方をめぐって対立が起きるのは、保健師助産師看護師法が「助産」の具体的内容まで定めず、厚生労働省が法解釈として説明しているからだ。厚労省は助産のひと項目として、「内診によって子宮口の開大、胎児の頭の下降度、回旋などを確認する」行為を指摘している。「助産は医学的判断を伴う。医学的判断を禁止されている看護師がおこなえるものではない」との立場だ。


  実際に医療現場で、看護師はどう助産にかかわっているのか。


  県産科婦人科医会は、堀病院で看護師が内診をしていた状況について「分娩(ぶんべん)経過の全体を産科医師が把握しつつ、担当医の監督責任のもとで十分な経験・技量を身につけた看護師による産婦の正常経過の観察を担当医が補助情報として利用する範囲内」との見解を出した。看護師は「正常経過の観察」をし、医学的判断は医師がしていた、との説明だ。


  産科救急の場に身をおくある医師も「看護師が医師の指示のもとで、内診をするのは問題ない」と話す。「産道に指をいれて子宮口の開大を測るのは、非侵襲的(体を傷つけない)な行為。注射など、より高度な医療にかかわっている看護師になぜ許されないのか」


  だが、こう明かす横浜市内の診療所の院長もいる。「看護師には『診断に迷ったら、いつでも呼ぶように』と言っているが、ほとんどの場合呼ばれない。呼ばれるのは子宮口が全開になった時点だ」


  この診療所では、看護師を採用する時点で「いざとなれば内診できるの?」と尋ねていた。「『前の病院では赤ちゃんを取り上げていました』と言われれば、即採用だし給料も高く出す」


  一方、24歳の助産師は、助産師学校に通っていたときの話を、こう語った。「『通っている診療所で院長を呼んでも来てもらえず、そのうち赤ちゃんが生まれてしまったことが何回かあった。怖くなったので、資格を取りに来た』という看護師が何人もいた」


  ■私はこう思う■


  ●出産時の安心 法律より大切 横浜市都筑区 女性


  私は5歳と2歳の子供がいます。2人とも堀病院で出産しました。今思えば「あの時内診して下さったのが看護師さんだったのかなあ」と思うくらいです。


  1人目の陣痛中に体調が悪くなった時、きちんと医師を呼んできて下さいました。出産の時も「今、先生呼んできますから」と医師が来て出産。教育が行き届いているのであれば、看護師の内診も良いと思います。法律は大切ですが、一番大切なのは、出産する側がどれだけ安心して出産できるかだと思います。看護師が内診をしているという告知はこれからは必要なのかもしれませんね。


  ●経験豊富なら不安感じない 横浜市戸塚区 女性


  4月に市内の個人病院で出産をしました。看護師による内診を3度ほど受けたと記憶しています。私自身が看護師をしていて、最初に内診をされた時には『この病院では看護師が内診するの?』と少しびっくりしましたが、嫌だとか不安だとかは思いませんでした。


  と言いますのも、仕事柄、看護師でも知識、技術、経験などは個人の努力や、その病院の教育体制によるところが大きく、正しい状況判断ができるほどの経験をつんでいるのであれば、陣痛室に待機中の内診は問題ないように思います。


  ただ、それをどのように判断するのか、客観的な判断基準がない現在においては、やはり有資格者かどうかで判断するしかないのでしょうか。


  ●きちんと指導 危険はあるか 元看護師


  現在出産育児のため無職ですが、内診が出産時の子宮口の大きさや、赤ちゃんの頭がどのくらい下がってきたのか確認する程度であれば、医師や助産師が手が離せない場合は仕方のないことだし、手が離せないからと言って放っておかれることの方が危険なことだと思います。


  きちんと看護師に指示、指導をしているのであれば、まず危険なことはないと思います。法律上問題というのなら注射も本当は医師の監督のもとで行うもののはずですが、わざわざじっと見ている医師なんていないし、カルテや処方箋(・・せん)を看護師に書かせている医師もたくさんいます。


  ●無資格看護師 不安を与える 海老名市 菅原麻里さん(32)


  堀病院が准看護師らに助産行為をさせていたという事件に驚きました。2人の乳幼児がいます。長男は8カ月検診(28週)の時、切迫早産で別の病院に緊急搬送されるまで堀病院に通っていました。35週まで入院。胎児は順調に成長。もし、無資格の看護師に内診されていたら、と考えると怖いです。


  いろいろなことにデリケートな妊婦に不安を与えるような要素や環境は絶対によくないです。まして無資格の看護師による内診は論外だと思います。


  ●妊産婦集中で仕方ないこと 藤沢市・女性


  昨年10月、3人目を個人病院で出産しました。いよいよ子宮口全開になったと判断した女性が医師を呼び、「まだ全開ではない」と医師がその女性をしかりつけたことがありました。子宮口が赤ちゃんの頭に半分かぶさって出にくくなっているということで、何度も内診し、励ましていただき、その女性にはとても良い印象を持っていました。


  出産後に分かったのですが、助産師だと思っていた女性の名前が母子手帳の分娩取扱者の「助産師」の欄ではなく、「その他」の欄にあったのです。産婦人科の病院が減って、妊産婦が特定の病院に集中してしまっている状況では仕方のないことなのかと思いました。


投稿者 akiuchi : February 12, 2007 04:34 AM