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February 13, 2007
虎の門病院小松秀樹先生と本田宏先生のジョイント講演
だいぶ古い話になるが今年の1月13日、小松先生と本田先生のジョイント講演会に行ってきた。本田先生がご自身のブログで詳しく報告されているのでここに記録しておくことにする。
虎の門病院小松秀樹先生とジョイント講演しました(日経メディカルオンラインブログ 2007. 1. 23)
亥年が明けた1月13日の土曜日、「メディカルコンパス」がNPO法人に認定された記念講演会が、新宿の明治安田生命ホールで開催されました。講演会のタイトルはズバリ!「医療を崩壊させないために」でした。
座長はへき地・離島救急医療研究会幹事・世話人の東大公衆衛生学助教授の井上和男氏(写真右)で、演者は昨年を代表する医療界のキーワード「医療崩壊」「立ち去り型サボタージュ」の生みの親である虎の門病院泌尿器科部長の小松秀樹氏(写真左)、そしてその前座を私(写真左から2番目)が務めました。
新年明けの土曜日夕刻で、NPO法人メディカルコンパスが誕生した直後の講演会だったためか、会場は満杯というわけにはいきませんでしたが、北は青森や岩手、南は九州など遠方から総勢100人余りが参加しました。医療関係者、メディア、さらに患者さん代表など、現在日本で確実に進行している医療崩壊に強い危機感を抱いた聴衆が集まり、講演会は熱気を帯びたものになりました。
今回誕生したメディカルコンパスという組織の名前を始めて聞かれた方がほとんどではないでしょうか。その理念を抜粋すると「医療崩壊が危惧される昨今、医療者と非医療者が正確な情報を共有し、医療者が現場の生の声を発信していく、さらに安全で質の高い医療提供のために何が必要か、システムから死生観まで問題点を明確にし、混沌とした現代医療という大海の中で航路を示す羅針盤を提供する」とうたわれています。
詳細はぜひメディカルコンパスのホームページ(http://medicalcompass.jp/index.html )をご覧ください。私も微力ながら、メディカルコンパスの活動に協力していきたいと思っています。
さて当日の講演は、メディカルコンパスの木田博隆氏の司会、井上和男先生の座長で、まずは私がスライドを示しながら熱く(?)70分間語り、その後にレジュメを使って小松先生が現在の医療や社会の問題点を話されました。
小松先生のお話で、私が特に印象的だった項目とポイントをまとめました。
・不確実性の許容
現役メディアの女性から「医療は万能ではなく、不確実なものだということが、4年間の自分の闘病を通じて分かるようになった」と言われたこと。
・過失は罪か、刑法211条:業務上過失致死傷罪
刑法では原則として過失を罪とせず(刑法38条)、業務上過失致死傷罪は例外規定の一つ(アメリカに同様の罪はない)。日本では罪刑法定主義から遠い規定で、広い範囲まで罪になっている現実がある。
・国家の維持、検察の基本思想
検察には国家を守り維持するという意識が強く、法の番人とは多少ニュアンスが異なること、被害者感情やメディアに世論として表現された社会の不満に、法的決着をつけて、国家が社会の構成員に常に配慮していることを示すことにより、自らに正当性を付与し、結果として社会の秩序の維持をしやすくしているように見える。
・患者は消費者か~イギリスでは医療が崩壊した
Lancet誌が「正しい市場とは、競争原理が機能し、情報へのアクセスが平等でふんだんにあるという前提で、消費者が自ら参加するゲームである。医療では情報を誰もが平等に得て、しかもそれを正しく理解できるなどということはかつてなかったし、未来もない。医療はゲームではない。医療は社会善であり、公平でなければならない。患者は消費者ではなく、純粋に、ただ単に患者である」と主張したこと。
小松秀樹先生からは、現在の日本の医療のあり方を見直す意味で、多くの示唆をいただきました。
このように、現在の日本の医療のあり方を見直す意味で、多くの示唆をいただいた講演でした。本来は私と小松先生の講演内容を詳細にご紹介すべきなのでしょうが、このブログにすべて書き込むことはできません。詳細は近日中にメディカルコンパスのホームページにアップされる予定ですので、ご覧ください。また当日の私の講演スライドをご覧になりたい方は、参加者の大熊由紀子さんが、福祉と医療・現場と政策をつなぐ「えにし」ネットhttp://www.yuki-enishi.com/の「医療費と医療の質の部屋」にファイルをアップしてくださいましたので御笑覧ください。「医療を崩壊させないために」(パワーポイント・17543KB)です。
講演後の質疑応答では、演者と参加者がそれぞれの立場から、今後の日本の医療を具体的にどう改善していくべきか、どう行動すべきかなど、熱く議論が闘わされました。講演会終了後には会場隣のフロアでミニ懇親会が催され、その後の“本格的な”懇親会にも小松先生や患者さん代表も含めて10数人が参加し、夜更けまで大いに盛り上がりました。
新年早々の講演会でしたが、「日本の医療崩壊を食い止めよう!」と立ち上がろうとしている人々が、医療界ばかりでなく、一般市民や患者さん、メディアの中にも着実に広がっていることが分かりました。今年一年の活動に向けて、大いに勇気をいただけた素晴らしい講演会でした。
投稿者 akiuchi : February 13, 2007 04:10 AM