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February 13, 2007
「どうする?日本のお産」ディスカッション大会ファイナル
こちらは残念ながら参加できなかったが昨年12月17日に開かれた「どうする?日本のお産」ディスカッション大会ファイナルの記録。本田先生はこちらの会にも参加していたというからその行動力には本当に驚かされる。
どうする?日本のお産(日経メディカルオンラインブログ:2006. 12. 25)
「どうする?日本のお産」ディスカッション大会ファイナルのグループディスカッション。全国から手弁当で集まった参加者が熱い議論を交わしました。
12月17日(日)に都内で開催された「『どうする?日本のお産』ディスカッション大会ファイナル」に参加してきました(大会ホームページはこちら)。前日夜に医療制度研究会の幹事会兼忘年会があり、少し疲労気味でしたが、現在、医療崩壊が特に深刻な産科医療に関するディスカッションですので、頑張って参加してきました。
ディスカッションの初めに、主催者のお一人である産婦人科医の早乙女智子さんから、以下のような講演がありました。
今年は、産科医の逮捕をきっかけに「産科医を辞めたい症候群」が流行した。そしてお産が安心してできない状況が昨年よりもさらに悪化し、「出産難民」が顕在化した。
今大会は、今年5月の横浜での第1回を皮切りに仙台、京都、札幌、愛知、高知などで開催され、今回のファイナルで9回目を迎えたが、延べ800人以上の参加者を記録した。激務のためか勤務医の参加は少なめで残念だったが、各地でたくさんのお母さん、助産師さん、そして政治家、行政担当者、メディアの方々などの参加により、とても有意義だった。
「また産みたい」と思うお産は、「安全で安心で楽しい」ものであるべきだ。安全を保つためには、医療だけでなく関連領域を含めた政策が必要だ。さもないと医師・助産師の労働条件改善も困難で、お母さんと医療関係者の信頼関係構築も不可能だからだ。今後は医療関係者だけでなく、お母さん、お父さん、それぞれの立場で知るべきこと、できることを考えて実行していく活動も必要だ。
国や行政には、医療費増やシステム改善などを望む。やっと行政も重い腰を上げて無過失補償制度などが検討されるようになってきた。
そして「今後もこの会の活動を続けて元気をもらいたい」と締めくくられました。この講演の後、フロアから活発に意見が出されました。その中から、いくつかをご紹介します。
○札幌から参加した女性産科医--北海道の状況も厳しいが、この大会が札幌で開催された時にテレビで報道されて、稚内などでお産の体制が守られた病院もあった。
○東京都内のお母さん--大きな病院の産科閉鎖に対して、存続を求める会を作って病院や区に対して働きかけをしている。
○高知県のお母さん--高知でこの大会が開催された後に、担当医に対して「ありがとう」カードを手渡す運動を始めた。なぜなら医師は、看護師さんや助産師さんと違って、「ありがとう」といわれる機会が少ないと聞いたから。
○茨城県の産科医--茨城県では分娩医療機関が少なかったが、県民の声と熱心な産科医の存在で、お産ができる病院が増えた。
○島根県の元内科医--現在、産科に転向し、多い時で月10回の当直をこなしている。産科でうれしいのは、新しい生命が生まれる素晴らしさを感じられること。一方で一番残念なのは、担当した赤ちゃんが亡くなることだ。
○福島県の助産師--個人医院に勤務しているが、周囲の病院が廃業し、年に200人だったお産が500人に増加した。さらに近くの公立病院でも産科がなくなる可能性がある。産科医は寿命が短いと聞くが、自分が知っている産科医も50~60歳代で倒れる人が少なくない。自分もお産が好きで24時間連続で働いてきたが、好きでやっている人に頼ってきた体制が問題だ。
○浜松市の産婦人科医師--医師になって30年、開業して20年、年間お産を500~600件担当しているが、いいお産をしてもらおうと思うと、寝ないで頑張らなければならない。しかし、これから医師になる人や助産師、看護師に、このような労働条件を押し付けるわけにはいかない。
○高知県のお母さん--高知で助産専門学校がなくなると聞いて、その存続活動を開始した。お産に必要な助産師さんの育成がしっかりとできるように働きかけていきたい。
午後は小グループに別れて「安全に安心してお産するには、仕事するには」、「助産師が役割を発揮するには」、「産む力、育てる力をつけるには」などのテーマで話し合いました(写真)。
最後に各自が「私の宣言」を書いて自ら何か行動することを約束して、閉会となりました。全国から手弁当で集まった人々が、熱心に日本の産科医療をよりよいものにするために議論をしているのが印象的でした。
現在、医療崩壊が叫ばれ、医療者の一部には諦めに似た雰囲気さえ漂っています。しかし、今こそ医療者と患者さん、さらにメディアや行政が互いに理解を深め合い、共通の目的に向かって智恵を出し合うことが必要な時なのです。
投稿者 akiuchi : February 13, 2007 04:18 AM