January 07, 2007

『日本の論点2007』

「日本の論点」は毎年買ってしまうのだが厚くてほとんど読まずに放置してあることが多い。「日本の論点」plusというサイトで過去10年の論文を参照することができる。
少子化、医師不足、医療過誤など興味深い論文が多く出ている。今年は福島の事件に言及しているものが目立つ。
以前にも書いたが「がん難民」という”難民”に対するマスコミの無神経な表現はいかがなものだろう?

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「がん難民」
http://blog.med-apple.co.jp/mailmaga/diary/archives/2006/12/post_119.html
「日本の論点」plus
http://www.so-net.ne.jp/bitway/bunshun/ronten/

がん難民はなくせるか
山本孝史(がんを公表した参議院議員)vs 濃沼信夫(東北大学教授)


■『日本の論点2007』主な目次
「格差は実在するか」大竹文雄(大阪大学教授)vs.佐野眞一(作家)
「日本外交の新展開とは」中西輝政(京都大学大学院教授)vs.中西寛(京都大学大学院教授)
「金正日総書記の企図とは何か」重村智計(早稲田大学教授)vs.李鐘元(立教大学教授)
「対中外交をどう変えるか」莫邦富(ジャーナリスト)vs.櫻井よしこ(ジャーナリスト)
「北方領土は返ってくるか」佐藤優(起訴休職外務事務官・『国家の罠』著者)
「専守防衛の範囲はどこまでか」志方俊之(帝京大学教授)vs.江畑謙介(軍事評論家)
「集団的自衛権を容認すべきか」村田晃嗣(同志社大学教授)vs.伊藤真(「伊藤塾」塾長)
「日本は情報戦に勝てるか」手嶋龍一(外交ジャーナリスト・『ウルトラ・ダラー』著者)
「政治とメディアの正しい関係は」世耕弘成(参議院議員)vs.田原総一郎(ジャーナリスト)
「“あの戦争”をどう総括するか」福田和也(文芸評論家)vs.東郷和彦(元外務省欧亜局長)
「靖国問題をどう解決するか」上坂冬子(作家)vs.保阪正康(作家)
「領土問題か地域振興か」勝谷誠彦(ジャーナリスト)vs.松村良幸(長崎県対馬市長)
「大買収時代にどう備えるか」佐山展生(一橋大学大学院教授・GCA代表)
「日本の財政危機はどの程度か」榊原英資(早稲田大学教授)vs.菊池英博(文京学院大学教授)
「市民ジャーナリズムは可能か」佐々木俊尚(ジャーナリスト・『グーグル』著者)
「尊厳死を法制化すべきか」鎌田實(諏訪中央病院名誉院長)vs.井形昭弘(尊厳死協会理事長)
「教育基本法が目指すべきは」松本健一(作家)vs.斎藤貴男(ジャーナリスト)
「犯罪少年の更生は可能か」奥野修司(ジャーナリスト)vs.井垣康弘(弁護士・元家庭裁判所判事)
「“検察の横暴”は本当か」魚住昭(ノンフィクション作家)vs.郷原信郎(桐蔭横浜大学法科大学院教授)
「共謀罪は必要か」大谷昭宏(ジャーナリスト)vs.堀田力(弁護士)
ほか全90の論点を収録。また、各論文の後に編集部作成の「データファイル」を付しました。
論争の発端・経緯・現況、あるいは論争にかかわる人物や出来事をダイジェストにした、
論争の背景を知るための“基礎知識”です。
日本が直面する緊急課題と、その答えが『日本の論点』にあります。

■『日本の論点2007』オリジナル特別収録
「そうだったのか!誰も知らなかった世界の常識、日本の非常識-飲酒運転の罪から財政赤字の定義まで」


信頼の「日本の論点」だからこそ勢揃いした豪華執筆陣!!
日本唯一の論争誌でしか読めない白熱の討論を多数収録!!
小論文の教科書として高校・予備校・大学で引っ張りだこ!!
具体的なデータ、詳細な解説、確実な予測があなたの議論を強くする!!
いま注目の話題、旬の筆者がわかる――講演や原稿依頼に最適の情報源!!



「格差社会」の驚くべき現実とは
佐野眞一(作家)vs 大竹文雄(大阪大学教授)
日本外交の軸はアメリカかアジアか
中西輝政(京都大学教授)vs 中西 寛(京都大学教授)
新しい日本的経営とは何か
御手洗冨士夫(キヤノン会長・日本経団連会長)
金正日総書記は何をしようとしているのか
重村智計(早稲田大学教授)vs 李鍾元(立教大学教授)
対中外交をどうすべきか
櫻井よしこ(ジャーナリスト)vs 莫邦富(ジャーナリスト)
領土問題と地域振興はどちらが大事か
勝谷誠彦(ジャーナリスト)vs 松村良幸(対馬市長)
昭和の戦争をどう総括すべきか
福田和也(文芸評論家)vs 東郷和彦(元外務省欧亜局長)
アメリカの市場開放要求には理があるか
関岡英之(『拒否できない日本』著者)
有効なニート支援は何か
本田由紀(東京大学助教授)vs 工藤定次(青少年自立援助センター理事長)
がん難民はなくせるか
山本孝史(がんを公表した参議院議員)vs 濃沼信夫(東北大学教授)
グレーゾーン金利撤廃に問題はないか
宇都宮健児(弁護士)vs 坂野友昭(早稲田大学教授)
ライブドア事件は検察ファシズムか
魚住 昭(ノンフィクション作家)vs 郷原信郎(元検事)
なぜいい子が親を殺すのか
岡田尊司(精神科医、『脳内汚染』著者)
スポーツ選手に品格は必要か
やくみつる(漫画家)



●親王誕生で皇室はどうなるか●靖国参拝問題をどう解決するか●中国経済はクラッシュするか●台頭するインドとどう付き合うか●日本は情報戦に勝てるか●専守防衛の範囲はどこまでか●9条改正で国際貢献をすべきか●政治とメディアの正しい関係とは●景気の好調はどこまで続くのか●市場をどう監視するか●非正規雇用の増加は何をもたらすか●本格的M&A時代にどう備えるか●消費税は何%が適当か●自治体の破産は続くか●ネット・ジャーナリズムは成功するか●知的財産保護はどうあるべきか●異常気象は地球温暖化が原因か●少子化対策は役に立っているか●医師の不足・偏在をどう解消するか●内臓脂肪は本当に怖いのか●小学校の英語必修化は正しいか●児童虐待はなぜ減らないのか●なぜ若者はカルトにひかれるのか●性同一性障害は認知されているか●オシムは日本サッカーに何をもたらすか●日本人力士の台頭はあるか──など、日本が直面する緊急課題と、その答えがここにある!



「世界の常識、日本の非常識――戦没者の慰霊法から財政赤字の定義まで」

投稿者 akiuchi : 10:17 AM

December 12, 2006

いじめ自殺 あえて親に問う (吉本隆明)

文藝春秋1月号「いじめ自殺 あえて親に問う-虐める子も虐められる子も育てられ方が問題だ-」(吉本隆明)を読む。虐められる子も虐める子もどちらも親の育て方が悪いという吉本隆明の主張はかなり過激だがどうもその根拠となる胎児期からの親との関係というものが本当に原因といえるのか?実際の事例の分析がないだけにちょっと首を傾げたくなる主張だ。

投稿者 akiuchi : 09:55 PM

September 20, 2006

八月の路上に捨てる

第135回芥川賞は伊藤たかみさんに決定!

http://www.bunshun.co.jp/award/akutagawa/

八月の路上に捨てる (単行本)
伊藤 たかみ

価格: ¥ 1,050 (税込み)

出版社 / 著者からの内容紹介
暑い夏の一日。僕は30歳の誕生日を目前に離婚しようとしていた。愛していながらなぜずれてしまったのか。現代の若者の生活を覆う社会のひずみに目を向けながら、その生態を明るく軽やかに描く芥川賞受賞作!他一篇収録。

内容(「BOOK」データベースより)
暑い夏の一日。僕は30歳を目前に離婚しようとしていた。現代の若者を覆う社会のひずみに目を向けながら、その生態を軽やかに描く。第135回芥川賞受賞作ほか1篇を収録。

単行本: 122ページ
出版社: 文藝春秋 (2006/8/26)
ASIN: 4163254005

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投稿者 akiuchi : 05:37 AM

September 18, 2006

老いの超え方 (単行本)

老いの超え方 (単行本)
吉本 隆明

価格: ¥ 1,785 (税込み)

出版社 / 著者からの内容紹介
今年83歳になる戦後思想の巨人による完本・老体論。糖尿病、白内障の手術、腸がんの切除手術など多くの病気を抱え、ほとんど歩けず見えない生活で取り組む「吉本式日々の体操」と生活の必需品をカラー写真と文章で紹介。足・腕・指・脊髄の鍛錬、散歩、パソコンで拡大文字を読む。身体の衰えと反比例し拡張する精神。「老い」の本当の姿を率直無比に語りつくす貴重な一冊。老いの語録集付き。

内容(「BOOK」データベースより)
ご老人は超人間である。今年83歳になる戦後思想の巨人は糖尿病をかかえ、白内障と腸がんの手術をし、歩くことも本を読むこともままならない。そんな不自由をどのように自由に生きるのか?吉元老体論の決定版、ついに刊行!初公開「吉本式・日々の体操と道具」をカラーで紹介、「老いの語録集」付き。

第1部 身体
身体
精神
生活
環境)
第2部 社会
仕事
社会)
第3部 思想
宗教
文学
政治)
第4部 死
見方
対処)

単行本: 275ページ
出版社: 朝日新聞社 (2006/05)
ASIN: 402250188X

老いの超え方.jpg

投稿者 akiuchi : 11:52 PM

家族のゆくえ (単行本)

家族のゆくえ (単行本)
吉本 隆明

価格: ¥ 1,470 (税込み)

出版社/著者からの内容紹介
■吉本隆明、渾身の書下ろし!混迷する諸問題を読み解く。

人生最大のドラマへの実感的考察●「家庭の幸福は諸悪のもと」●日本的育児の大切さ●子育ての勘どころは二か所しかない●父のゲンコツ・母のコツン●いちばんいい遊ばせ方●「怖い父親」が登場してももう遅い●性教育などしないこと●老齢は衰退を意味しない


内容(「BOOK」データベースより)
人生最大のドラマへの実感的考察。混迷する諸問題を読み解く渾身の書下ろし。

目次

序章 家族論の場所
第1章 母と子の親和力(乳幼児期)
第2章 「遊び」が生活のすべてである(少年少女期)
第3章 性の情操が入ってくる(前思春期・思春期)
第4章 変容する男女関係(成人期)
第5章 老いとは何か(老年期)
補註 対幻想論

単行本: 207ページ
出版社: 光文社 (2006/2/23)
ASIN: 4334974953

家族のゆくえ.jpg

投稿者 akiuchi : 11:38 PM

初心者のための「文学」

初心者のための「文学」 (単行本)
大塚 英志

価格: ¥ 1,260 (税込み)

出版社/著者からの内容紹介
正しく文学と出会い、正しく読む十の講義
中上健次、、安部公房、三島由紀夫など、戦後を代表する文学に内在する「ひきこもり」「萌え」「禁忌」といった要素を大塚英志が講義する、学校では決して教えてくれない戦後文学のほんとうの読み方。

内容(「BOOK」データベースより)
文学に流されず、文学に損なわれず、文学を読む自分を勘違いせず、正しく文学と出会い、正しく文学を読む十講。

目次

第1講 「私」と書き始めれば「私」が現れる「文学」をまず疑う―扱う作品/三島由紀夫『仮面の告白』
第2講 戦争という「わくわく」した現実と「私」であることの関係―扱う作品/太宰治『女生徒』
第3講 「文学」とは「私」でない誰かのために「私」がなしうることではないのか―扱う作品/井伏鱒二『黒い雨』
第4講 「日常がいや」という「生きづらさ」は何故、始まったか―扱う作品/島尾敏雄『出発は遂に訪れず』
第5講 「私」の外側で「私」を見つめるのは誰か―扱う作品/大岡昇平『野火』
第6講 「萌え」と「血筋」と近代文学の関係―扱う作品/李恢成『伽〓(や)子のために』
第7講 「箱男」を疑いつつ「箱男」であること―扱う作品/安部公房『箱男』
第8講 「空気」を読む「文学」は転向する―扱う作品/中野重治『村の家』
第9講 「文学」は「空想の地図」であってはいけない―扱う作品/中上健次『十九歳の地図』
第10講 孤立し、ただ一人、闇の奥へ―扱う作品/大江健三郎『芽むしり仔撃ち』

単行本: 285ページ
出版社: 角川書店 (2006/07)
ASIN: 4048839551

初心者のための「文学」.jpg


「物を書くことの恐ろしさ」をめぐって, 2006/7/3
レビュアー: エイス "aruasasonotoki" (埼玉県) - レビューをすべて見る
大塚英志がライトノベル(ズ)雑誌ザ・スニーカーにおいて連載していた
「正しい文学 スニーカー文庫の読者のための文学入門」
の書籍化。

主に戦時下の文学の、現代にも通ずる凡例としての側面と届く事が出来なかった隘路を
ライトノベル(ズ)読者にも飽きを感じさせないようにエサを投下しながら語り進む

※連載中、読者から感想を応募していたのでてっきり本に載ってるものと想像してたが、何故か載ってない。そこが大塚クオリティ?
※第五講「伊豆の踊子」が未収録。「キャラクター小説の作り方」文庫版にネタがかぶった話を書き下ろしたためと思われる

投稿者 akiuchi : 11:31 PM

男女(オスメス)の怪 (単行本)

男女(オスメス)の怪 (単行本)
養老 孟司 ・阿川佐和子

価格: ¥ 1,470 (税込み)

内容(「BOOK」データベースより)
男と女にも「壁」がある!?丁々発止、思わず膝を打つ傑作対談。

内容(「MARC」データベースより)
恋愛は病気、結婚は契約? なぜ女は男より強くてたくましいのか。男はどうしてデリケートで口下手なのか…。男と女の間にある「壁」について、性格や言葉、美意識、遺伝子など様々な視点から探っていく、丁々発止の傑作対談。

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目次

1 恋愛は病気、結婚は契約?―男と女の愛の壁
2 なぜ女は男より強くてたくましいのか―男と女の性格の壁
3 男はどうしてデリケートで口下手なのか―男と女の言葉の壁
4 人がポルノグラフィーに興奮するわけ―男と女の美意識の壁
5 男の乳房は何の役に立つのか―男と女の遺伝子の壁
6 「愛」という諜と無思想の思想―男と女のバカの壁
7 日本人に個性はいらない―男と女の脳の壁


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単行本: 208ページ
出版社: 大和書房 (2006/6/15)
ASIN: 4479011889

男女(オスメス)の怪.jpg

投稿者 akiuchi : 11:22 PM

September 17, 2006

愛の流刑地〈上・下〉 (単行本)

■文学といえば文芸春秋9月号に掲載されたを芥川賞受賞作品「八月の路上に捨て
る」(伊藤たかみ)
を読んだのだがその面白さがさっぱりわからなかった。「文学
とは何か?」最近はビジネス関係の書籍ばかり読んでいたので小説とはすっかり遠
ざかっていた。大塚英志の「初心者のための『文学』」(角川書店)という本を先
日本屋で見つけて買ってきた。この著者はサブカルチャー、オタクといった分野に
詳しいのだがかつて「『彼女たち』の連合赤軍―サブカルチャーと戦後民主主義」
という本の中で果敢にフェミニズムを批判していて共感を覚えた記憶がある。今回
の本では「私」が文学の中心にあるということが強調されていた。「私とは何か?」
永遠に難しい哲学的大問題だ。打って変わって直木賞作家・渡辺淳一の「愛の流刑
地」という本も読んでみた。こちらは気恥ずかしくなるようなベタな話の展開に辟
易させられた。(実は結構楽しんだりもしているのだが・・・)確か渡辺淳一は札
幌医大整形外科講師をしていたと思う。才能があったからということになるのだろ
うが医者から作家への「逃散」をいち早く決め込んだ彼の選択眼の鋭さには脱帽す
る。才能のない不器用な医者は果たしてこれからの日本でどのように生きていけば
いいのだろうか?どうも憂鬱な秋になってきた。
プルプル通信メルマガ版 第42号 *9月号*(Vol.19 No.16)
2006年9月20日発行

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愛の流刑地〈上・下〉 (単行本)
渡辺 淳一

単行本: 382ページ
出版社: 幻冬舎 (2006/05)
ASIN: 4344011651

朝刊小説 渡辺淳一の「愛の流刑地」

「愛の流刑地」のあらすじ
 村尾菊治は55歳。かつて恋愛小説の旗手として脚光を浴びたが、今は新作が書けずにくすぶっていた。そんな菊治がある日、女友達の紹介で、自分の作品のファンだという関西在住の人妻、入江冬香と京都で出会う。北陸・富山の生まれで、すき透るような白い肌が美しい。その細い手に、以前見たなまめかしいおはら風の盆の踊りを思い出し、菊治は強く心惹かれる。
 東京に住む菊治は別の日、冬香を京都のホテルに誘いだし、いきなりその唇を奪う。2度目の密会で、ふたりはとうとう結ばれる。互いに惹かれあい、その後京都で密会を重ねるふたり。冬香には夫と小さな子供が3人いて、逢えるのは決まって午前中だけだった。

 年が明けて正月2日、冬香は富山の実家に子供と夫を残し、東京に住む菊治に逢いに来る。そんな彼女を菊治が激しく愛すると、冬香は、夫からも得られなかった深いエクスタシーへと導かれる。

 心も躰も離れられなくなった2人に、製薬会社に勤める冬香の夫の東京転勤という、またとない幸運が舞い込む。東京近郊の新百合ヶ丘に3月に移り住んできた冬香は、菊治の住む千駄ケ谷の部屋に通い始め、逢瀬の機会がますます増えていく。

 体を重ねるごとにエクスタシーの度合いを深めていく冬香。夫に体を求められても拒絶しているという冬香に、菊治は強い愛情を感じる一方、彼女の家庭も気になり始める。子供の風邪のせいで逢えない日など、妻であり3人の子の母でもある冬香の立場に、菊治は強く心がかき乱される。

作者の言葉
 いま、純愛ブームだという。肉体関係がない、精神的なつながりだけの愛が純粋だと思いこむ。だがそれは単に未熟な幼稚愛にすぎない。精神と肉体と両方がつながり密着し、心身ともに狂おしく燃えてこそ、愛は純化され、至上のものとなる。
 今度の小説は、その純愛のきわみのエクスタシーがテーマである。その頂点に昇りつめて感じた人と、いまだ知らぬ人との戦いである。最高の愉悦を感じるか否かは、知性や論理の問題ではなく、感性の問題である。

 はたして、この戦いはいずれが勝つのか、そして読者はいずれに軍配をあげるのか、ともに考えていただければ幸いである。

作者の横顔 渡辺 淳一(わたなべ・じゅんいち)氏
  1933年北海道生まれ。札幌医科大を卒業後、同大学の整形外科講師を経て作家に。70年「光と影」で直木賞、80年「遠き落日」「長崎ロシア遊女館」で吉川英治文学賞を受賞、2003年には菊池寛賞を受賞。医師体験を基にした深い人間認識と細やかな心理描写からなる恋愛ロマンや、歴史・伝記小説を数多く発表し、読者の高い支持を得ている。
 本紙朝刊では、いずれも大きな話題となった85年の「化身」、96年の「失楽園」に次ぐ、3回目の連載。著書に「阿寒に果つ」「ひとひらの雪」「幻覚」など多数。98年には札幌に渡辺淳一文学館が完成、一般に公開している。

挿画 小松 久子(こまつ・ひさこ)氏 洋画家として活躍する一方、渡辺作品をはじめとする多くの連載小説の挿画を手がけるベテランで、すっきりとした優美な線で描かれる人物や風景が小説世界を引き立てる。

題字 松井 芝翆(まつい・しすい)氏
 ひらがなを得意とする書家で、渡辺作品の多くの題字を手掛けています。今回は漢字の多いタイトルをやわらかでドラマチックな筆致の題字にまとめ、印象深い「小説の顔」として紙面を彩る。

http://xn--wgvw43c.jp/honshi/20041206ta7c6000_06.html

http://blog.drecom.jp/toka/category_17/

日本経済新聞朝刊に連載されたの恋愛小説。

略称は「愛ルケ」。

小説家村尾菊治(55歳、以前は恋愛小説で鳴らしたが、今はしがないゴーストライター、妻と別居中で1人暮らし)とそのファンの入江冬香(36、7歳、人妻、ほっそりした体つきに、控えめな物腰)との恋愛を描く。

朝から電車の中で広げて読むことをはばかられるような、セキララな性愛描写と、一貫性がなくつかみどころのない登場キャラクター、親父のセコさ、妄想炸裂具合が一部で評判を呼んでいる。

2006年度1月末をもって連載を終了した。書籍化と映画化、日本テレビにてドラマ化(キャスティング不明)の予定がある。

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愛の流刑地(下).jpg

内容(「BOOK」データベースより)
その男と出会い、女はすべてを捨てた。生まれて初めて知った狂おしいほどの性の悦び―。エクスタシーの頂点で、女が男に求めた究極の行為とは。男女の性愛を大胆に描写し、日本経済新聞連載中から大反響を巻き起こした衝撃の問題作。

内容(「MARC」データベースより)
下火の作家・菊治と主婦の冬香。互いに家庭を持つ身でありながら、急速に惹かれあう二人。生まれた初めて知った狂おしいほどの性の悦び-。エクスタシーの頂点で、冬香が菊治に求めた究極の行為とは…。

内容(「BOOK」データベースより)
最愛の女を殺めた果ての孤独な法廷闘争。故意か過失か、あるいは愛の証しか。懸命に愛した男が最後に受け入れた罪と罰とは。論理ではとらえきれぬ情感の妖しさを描き、現代人の感性の解放をうたうルネサンス的文芸大作誕生。

内容(「MARC」データベースより)
狂おしいほどの愛情ゆえに、最愛の女・冬香を殺めてしまった菊治。その果ての孤独な法廷戦争。故意か過失か、あるいは愛の証か。法は、この愛を裁けるのか。懸命に愛した男が最後に受け入れた罪と罰とは…。


投稿者 akiuchi : 11:53 PM

医療崩壊―「立ち去り型サボタージュ」とは何か

■夏休みといってもどこにも出掛けることが出来ずに映画館で避暑という
パターンが多いこの頃ですが、先日「日本沈没」という映画を観てきまし
た。これは1973年に小松左京が出版して映画化されたもののリメーク
版です。あの当時はオイルショックによるトイレットペーパー騒動などい
ろいろなことがありましたが、私は高校を卒業して受験浪人をしていまし
た。夏休みに長野県の戸隠村の学生村(当時は暑さを避けて受験生が合宿
をしていました。)に一緒に出掛けたのが現在千葉のみやけウイメンズク
リニックの院長をしている三宅先生です。またその時に司法試験の勉強で
来ていた中央大学のグループの一人が現在私どもの顧問をして下さってい
る土屋弁護士です。まだ若かったあの頃を少し思い出しました。映画では
六本木ヒルズなど日本全国の建築物が崩壊するシーンはなかなか迫力があ
ります。「崩壊」というと虎ノ門病院泌尿器科部長の小松秀樹先生が書か
れた「医療崩壊-立ち去り型サボタージュ-とは何か」という本を最近読
んだのですが、どうしたら周産期医療の崩壊を食い止めることができるの
か?悲観的にならずに考えていこうと思います。
プルプル通信メルマガ版 第41号 *8月号*(Vol.18 No.15)
2006年8月19日発行

日本沈没
日本沈没.jpg
医療崩壊―「立ち去り型サボタージュ」とは何か (単行本)
小松 秀樹
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目次

1 何が「問題」なのか
2 警察介入の問題
3 社会の安全と法律
4 事件から学ぶこと
5 安全とコスト
6 イギリス医療の崩壊
7 立ち去り型サボタージュ
8 大学・大学院・医局の問題
9 厚生労働省の問題
10 医療の崩壊を防ぐために

出版社 / 著者からの内容紹介
日本の医療は、今、崩壊の危機にさらされている。現職の虎の門病院泌尿器科部長がついに声を上げた。医療の最前線に立つ大病院の現場で起きる「医師の立ち去り」の実態と理由と、その対策について、具体的に報告し、提言する。医療現場で日々、診断、治療、手術などの日常業務を行いながらも、「発言する医者」として、日本医療を崩壊から守るために務める著者の熱い思いが伝わってくる。

内容(「BOOK」データベースより)
現在、日本の医療機関は二つの強い圧力にさらされている。医療費抑制と安全要求である。この二つは相矛盾する。相矛盾する圧力のために、労働環境が悪化し、医師が病院から離れ始めた。現状は、きわめて深刻である。医療機関の外から思われているよりはるかに危機的である。現状はどうか、何がおかしいのか、どうすればいいのか。現状を報告し、対策を緊急提案する。

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単行本: 295ページ
出版社: 朝日新聞社 (2006/05)
ASIN: 4022501839


医療崩壊―「立ち去り型サボタージュ」とは何か.jpg

投稿者 akiuchi : 11:30 PM

慈恵医大青戸病院事件―医療の構造と実践的倫理

■前回のメルマガを発行した直後に「周産期医療の崩壊」を加速する事件が横浜で起こりました。日本一の出産数を誇る堀病院で無資格の看護師による内診が行われていたとして警察による家宅捜索が入りました。私はこの問題が日本の周産期医療に与える影響は今年2月に福島県大野病院で起こった産婦人科医師不当逮捕事件同様に大きなものだと認識しております。虎の門病院泌尿器科部長の小松秀樹先生が書かれた「医療崩壊-立ち去り型サボタージュ-とは何か」を前回のメルマガでご紹介いたしましたが同じ著者による「慈恵医大青戸病院事件-医療の構造と実践的倫理-」に警察が医療事故の調査に加わることに関して厳しい指摘がなされています。■「わが国の警察、検察は犯罪捜査と刑事責任追及はすべてに優先すると考えているらしい。そのために事故が多発しようが、医療が混乱しようが、気にする様子はうかがえない。警察、検察を抑えるべき権威はわが国には存在しないようにみえる。本来、国内法に優先すべき国際条約も、国内にしか関心を持たない警察、検察を制御できていない。国土交通省、厚生労働省は、事実上、警察庁の下位におかれている。政治家も警察、検察に口出しできない。警察は理解力に問題があるためか、科学にも敬意を払わない。見込み捜査と自白強要という、昔ながらの犯罪捜査が、科学的調査を必要とする場面に土足で踏み込んでいる。警察、検察の活動について、チェック機構が働いているように思えない。チェックのない権力がどのようなものか、歴史を紐解くまでもなく、現在の世界を観察すれば十分に理解できる。」(p76)この文章は1985年の日航機事故で群馬県警が押収した圧力隔壁の提出を国際的な調査機関の要請にも関わらず拒否したことと医療事故の調査を絡めて群馬県警の姿勢を「卑小、愚か、かつ依怙地」と批判しているくだりである。この本が発行されたのは2年前の2004年9月であるがその後起こっている警察の医療事故への介入をまのあたりにすると小松先生の先見の明には驚かされる。ちなみに青戸病院事件で医師3名が逮捕されたのは2003年9月である。詳しいことは今回新しく立ち上げた私自身のブログで解説することにしようと考えているが今回の警察の捜査が周産期医療の崩壊を加速させたことは間違いない。■また報道と行政(厚労省)のあり方に関しても以下のごとく厳しいことが書かれているが私も今回の内診問題をめぐるマスコミの報道に接して同様な危機感を抱かざるを得ないと思う。小松先生が医療崩壊をくい止めるために立ち上がった経緯をすべての医療関係者は理解しなければならない。「わが国には、すべてを把握し、長期的見地から国益を考え、国民を指導する「お上」は、もはや存在しない。場面場面で世論からどのようにみられるかが、政策決定者の最も重要な判断基準であるようにみえる。これは議会制民主主義に内包するものであり、必然的帰結である。国民は国民的熱狂が、だれにも逆らえない政治的力を持つことを自覚すべきである。熱狂の裏で、冷静な権力者が、事態を正しく認識し、適切に対処してくれるなどと甘い期待を持ってはならない。マスコミ人は自分の持つ権力の大きさをもっと自覚すべきである。扇情的記事を書くとき、その影響の広がりと最終的解決まで考えておく責任がある。あるいは多様な意見を意識的に世に出す努力をすべきである。なぜなら、マスコミが一方向に走り出すと、冷静な議論は封殺される。現在の政治体制では、政府すら、適切な施策ができなくなるからである。」(p83)プルプル通信メルマガ版 第42号 *9月号*(Vol.19 No.16)2006年9月20日発行


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慈恵医大青戸病院事件―医療の構造と実践的倫理 (単行本)
小松 秀樹
価格: ¥ 1,680 (税込み)
単行本: 208ページ
出版社: 日本経済評論社 (2004/09)
ASIN: 4818817112
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目次

第1部 医療と刑事責任―倫理と法律のはざまで
医療に対する過剰な期待と報道姿勢
「早期発見、早期治療」は賢い指針か
安全な手術はない ほか
第2部 大学と医局―社会学的分析
大学病院の矛盾
大学医局の人事システム
医局の成立と行動原理 ほか
第3部 医の倫理と医療の安全―思想の重要性
他に求める倫理と自己を律する倫理
思想の重要性
インフォームド・コンセント ほか

内容(「BOOK」データベースより)
医療事故ではどこまで医師の刑事責任を問えるのか。医療システムや医局制度、報道、厚労省の対応に問題はないのか。患者の死を無駄にしないための医療の具体的あり方を提案。

内容(「MARC」データベースより)
医療事故はどこまで医師の刑事責任を問えるのか。医療システムや医局制度、報道、厚労省の対応に問題はないのか。慈恵医大青戸病院での事件を例に、患者の死を無駄にしないための医療の具体的なあり方を提案。


慈恵医大青戸病院事件―医療の構造と実践的倫理 (単行本).jpg

投稿者 akiuchi : 11:15 PM